日本ロレアル株式会社と東京ガス不動産株式会社が、業界を超え循環経済社会の形成への貢献に向けて提携を発表。日本ロレアルが廃棄予定の化粧品を、建物建材へとアップサイクルし、東京ガス不動産が開発する建物へ活用促進していく。
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世界最大の化粧品会社ロレアルグループの日本法人、日本ロレアル株式会社と東京ガス不動産株式会社が、循環経済社会の形成への貢献に向けて、日本ロレアルが廃棄予定の化粧品を、建物建材へとアップサイクルし、東京ガス不動産が開発する建物へ活用促進していくことについて合意したと発表した。
提携第一弾として、日本ロレアルが廃棄予定の自社化粧品「パウダーファンデーション 822個」を材料に、東京ガス不動産がタイル建材を製作(アップサイクル)し、自社で開発を手がける2023年11月竣工予定の「(仮称)国分寺学生寮」および2024年1月竣工予定の「(仮称)武蔵野学生寮」の建材の一部に採用する。
「化粧品を建材にアップサイクルすることは、日本の高い技術力ゆえに実現できることだと、ロレアルグループ内でも世界中で高い評価を得ています。
加えて、自社製品を単に廃棄するのではなく、新たな付加価値を持つ新しい“美”に生まれ変わらせる“アップサイクル”は、美の創造を専業とするロレアルの社員にとっても意義深い取り組みです。
建材へのアップサイクルを発案した身として個人的に情熱を抱いている取り組みでもあります。このたび、東京ガス不動産と提携できることを嬉しく、かつ光栄に思うとともに、実際に実現させた多くの同僚のことを誇りに思います。
本取り組みがインスピレーションとなり、日本社会の循環経済への移行の一助となればうれしく思います」
「今回、オーナーと入居者という関係を超え提携できること、とても嬉しく思っています。日本ロレアルとは、これまで、新宿パークタワーにおいて廃棄物の分別による資源リサイクルや、生ごみのバイオガス化リサイクルといった取り組みを行ってきました。
本取り組みは、異業種の2社が循環経済社会の形成に貢献する新たな試みです。当社が掲げる「安心・快適・環境との調和を提供する ESG 型不動産開発」のさらなる推進に向けて、日本ロレアルと引き続き連携を強めていければと考えています」
『世界をつき動かすような美の創造』をパーパス(存在意義)に掲げ、売上などの経済的成長と、環境・社会課題解決への貢献といった非財務面での成長、双方で卓越することを目指している。
サステナビリティでは、グローバルプログラム「ロレアル・フォー・ザ・フューチャー」のもと、2030年に向け抜本的な取り組みを推進。その目標のひとつが、2030年までの事業拠点からの廃棄物の100%リサイクルまたは再利用だ。
日本においては3R(リデュース、リユース、リサイクル)を推進しており、なかでも注力しているのがアップサイクル。2022年には化粧品業界で初めて美容部員の制服のアップサイクルを始め、同年10月にリニューアルオープンした本社オフィスでは自社化粧品4,400個をアップサイクルした建材を用いている。
これらの取り組みの貢献もあり、2022年末時点で、2016年対比で50%の自社化粧品廃棄を削減した。
リップグロス等を壁面に使用した会議室
「災害に強いまちづくりの推進」「一人ひとりに寄り添う魅力的な毎日の創出」「環境にやさしい不動産の実現」の3つのマテリアリティを通じ、東京ガスグループ2023-2025年度中期経営計画「Compass Transformation 23-25」で掲げた「安心・快適・環境との調和を提供するESG型不動産開発」を推進している。
その具体的な取り組みとして、保有する新宿パークタワーのビル共用部の使用電力を実質再生可能エネルギー化し、今後、テナント専用部への導入検討を進める等、お客さまと一緒にビル単位で脱炭素社会の実現に貢献していく。
新宿パークタワー
日本ロレアルは、2006年に東京ガス不動産所有の「新宿パークタワー」に本社を移転。以来オフィス照明のLED化などを通じ協働関係を深めてきた。
2023年3月の日本ロレアル本社オフィスの国際的なグリーンビルディング認証制度「LEED GOLD®」認証の取得は、両社のパートナーシップがもたらした大きな成果のひとつと言える。
お問い合わせ先/日本ロレアル株式会社
https://www.loreal.com/ja-jp/japan/
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