ワールドは「環境省 令和4年度サプライチェーンの脱炭素化推進モデル事業」の取り組みのひとつとして、サプライヤーとともにGHG削減に向けたサステナブル素材を共同開発。従来の素材と比較をしたGHG排出量の削減率を明確にし、アパレルメーカーにおけるSDGs実行のロールモデルを目指す。
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ワールドグループは、昨年8月に選定された「環境省 令和4年度サプライチェーンの脱炭素化推進モデル事業」の取り組みのひとつとして、サプライヤーとともにGHG(温室効果ガス)削減に向けたサステナブル素材の共同開発を行い、従来の素材と比較をしたGHG排出量の削減率を明確にした。
同素材の使用を含む環境負荷を考慮した素材は、2023年秋冬から「CIRCRIC(サーキュリック)」という素材ブランドとして、ワールドグループでの使用に加えOEM、ODMを通して業界内を横断して拡大していくとしている。
ワールドグループは昨年6月に発表したサステナビリティプランで、2030年までにスコープ3(取引先や自社製品・サービス利用に伴う排出量)における製品1点あたり20%の削減を掲げ、中期ロードマップでは2026年度末にサステナブル原料の使用率20%を目指し、原料調達、製造までサプライチェーンの再構築とリサイクル原料の開発を推進している。
アパレルメーカーのGHG排出量はこれまで売上や枚数で換算をすることが多いなか、ワールドグループではジャケット、ニット、ワンピースなどアイテムと素材毎の排出量を換算することで、精度の高い管理を可能にした。
換算をする上では、環境省から委託を受け脱炭素化推進モデル事業の事務局であるボストン コンサルティング グループとともに、原料から製品までサプライチェーン全体におけるGHG削減を分析し削減率を明確に算出している。
この取り組みを機に、今後アパレルメーカーにおけるSDGs実行のロールモデルとして知見を業界に広げていくことを目指す。
今回の新素材を含め、今後ワールドグループがサステナブル原料(再生、リサイクル原料)、つくり場(グリーンファクトリーなど)を活用して生産した素材および製品には、2023年秋冬から「CIRCRIC(サーキュリック)」というブランドネームを使用。
今回開発をした2種の素材を含む「CIRCRIC」の使用により、これまで定義が定めにくかったサステナブル製品において環境貢献数値を明確にすることが可能となった。
中伝毛織株式会社(愛知県一宮市)との共同開発により、紡績段階での落ち綿とウール混率90%以上のニット商品、ウールの裁断端材等からアップサイクルした「再生ウール」をベースにコート、ジャケット、ボトム用の素材を開発。資源を再利用することで羊の飼育にかかわるGHG排出を33.7%削減した。
これはウール原料(紡績、織布、加工)の製造工程における対バージン比のGHG削減率として計算された数値だ。
豊島株式会社(愛知県名古屋市)との共同開発においては、ペットボトルから再生した「リサイクルポリステル」とトレーサビリティ可能な「オーガニックコットン」を混紡した汎用性の高いシャツ素材を開発。
どちらもバージン原料(従来の製造方法による原料)と比較してGHG排出量を23.4%も削減した。こちらもポリエステル、コットン原料(紡績、織布、加工)の製造工程における対バージン比のGHG削減率として計算された数値。
ワールドグループはサステナビリティプランとして「持続可能なバリューチェーンの構築」「資源価値の最大化」「サーキュラー貢献」の3つに取り組んでおり、中期目標としてGHGの自社負担を2030年までに50%削減(18年3月比)、間接負担として30年までに1点(原単位)当たり20%削減を目標にしている。
GHG排出原単位は、GHG排出係数ともよばれ、経済活動量1単位あたりのGHG排出量のことを示す。
創業以来「価値創造企業グループ」として進化するワールドグループは、1992年に顧客価値と生産性の最大化を目的に、小売から生産までを一気通貫させロス・無駄を価値に変える「SPARCS(スパークス)」構想を発表し、多業態・多ブランド戦略を実現してきた。
これからも「生活文化の多様性」と「ロス・ムダのない産業世界」の高次元の両立で、多様で選択肢のある持続可能な社会の実現を目指すとしている。
お問い合わせ先/株式会社ワールド
https://corp.world.co.jp/
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