繊維産業の課題に向き合う「47手芸店 手芸素材からみる、その土地らしさ」開催

47手芸店の展示の様子

D&DEPARTMENT PROJECTでは、産地に保管されていた生地見本を再利用し、その技術を次のものづくりにつなげるプロジェクトに取り組んできた。そのなかで見えてきた繊維産業の課題を踏まえ、12月16日より「47手芸店 手芸素材からみる、その土地らしさ」を開催している。

ELEMINIST Press

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2022.12.26
SOCIETY
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「47手芸店 手芸素材からみる、その土地らしさ」開催 端材の販売も行う

47手芸店ロゴ

47都道府県をテーマにしたミュージアム「d47 MUSEUM」にて、12月16日(金)から2023年3月27日(月)まで、第31回企画展となる「47手芸店(ヨンナナ シュゲイテン)手芸素材からみる、その土地らしさ」を開催している。

国内産地の生地、糸、ボタン、縫い針、裁ちばさみまで、手芸をテーマに、その土地らしいものづくり30組を選出し、紹介しながら、関連品の販売も行っている。日本の繊維産業や技術、関わる人々の活動や文化を知りながら買うことができる手芸店としての展覧会だ。

展示を通して、それぞれの取り組みを学びながら買い物ができる仕組みで、展示台にある商品を始め、会場内のショップコーナーでも出展者のさまざまな商品を購入できる。

ふだんは一般消費者向けの販売を行っていないメーカーの出展や、通常は商品になることがない端材などの販売もあり、ここでしか手に取ることができない貴重なものも並ぶ。

素材や道具を通し、関わる人や活動、その土地の暮らしや文化を知る

裁縫の様子

経済産業省の発表(※2022.7.27 経済産業省 製造産業局 生活製品課/繊維産業の現状と 2030年に向けた繊維産業の展望「繊維ビジョン」の概要)では、1990年代に入り減少傾向だった日本の繊維産業における衣料品等の市場規模は、2000年代以降、11兆円前後で概ね横ばいの状態が続くも、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大の影響を大きく受け、2020年には、1980年以降で最低数値となる8.6兆円を記録。

国内生産量等の推移においても、2011年以降、2020年までじわじわと減少傾向が続いている。D&DEPARTMENT PROJECTでは、2014年より、産地に保管されていた生地見本を再利用し、その技術を次のものづくりに繋げるプロジェクト「FROM LIFESTOCK」に取り組んできた。

活動のなかで各地の生地産地や縫製工場を巡るうちに、日本の基幹産業のひとつだった繊維産業が、バブル崩壊以降、輸入品に押されながらも、存続の道を模索する様子を目の当たりにしてきた。

近年では、技術の継承や発信を目的に、独自のファクトリーブランドを立ち上げるメーカーや、地域の繊維産業に纏わるものづくりを巡るツアーを企画するなど、産地全体を挙げて活性化を図る動きが生まれている。

しかし一方で、ファッション業界としては、高性能な素材や技術を持ったメーカーがブランド名の下に隠れ、生活者が直接的にその存在を知る機会はほとんどない。

展示の様子

今回の展覧会は、染色産業に欠かせない土台となる反物や、商品の製造過程で生まれる副産物を活用したもの、いつも当たり前に使っていた裁縫道具など、どこで誰によってつくられたものなのか、どのような技術が使われているのかをじっくりと知りながら買うことができる手芸店としての展覧会となっている。

また、会期中には、出展者を講師に招くワークショップも開催。素材や道具を通し、各地の技術やそれを支える人々の営みを、生活者が自身の手を通して直接感じ、「もの」に対する愛着や関心をより深め、そこに関わる人や活動、その土地の暮らしや文化を知ることで、産地との継続的な関わりにつながる機会になることを目指す。

47手芸店 手芸素材からみる、その土地らしさ

詳細

国内産地の生地、糸、ボタン、縫い針、裁ちばさみまで、手芸をテーマに、その土地らしいものづくり30組を選出し、紹介しながら、関連品の販売も行う展覧会。

会場

d47 MUSEUM

住所

〒150-0002 東京都渋谷区渋谷2-21-1 渋谷ヒカリエ8階

開催日時

2022年12月16日 12:00 〜 2023年3月17日 20:00

開催予定状況

予定通り開催

主催者

D&DEPARTMENT PROJECT

お問い合わせ先/D&DEPARTMENT PROJECT
https://www.d-department.com/

※掲載している情報は、2022年12月26日時点のものです。

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