Photo by Uniqlo
ロンドンのユニクロにできた、リペア、リサイクル、リメイクを行う「RE.UNIQLO STUDIO(リ・ユニクロ スタジオ)」。従来のお直しサービスだけでなく、ロンドン拠点の縫製スタジオと協力し、刺し子゙を用いた修繕やカスタマイズサービスの提供のほか、専門グッズの販売も行う。
宮沢香奈(Kana Miyazawa)
フリーランスライター/コラムニスト/PR
長野県生まれ。文化服装学院卒業。 セレクトショップのプレス、ブランドディレクターを経たのち、フリーランスでPR事業をスタートし、ファッションと音楽の二本を柱に独自のスタイルで実績を積…
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ロンドンにあるユニクロのリージェントストリート店にできた「RE.UNIQLO STUDIO」。
ユニクロは、2022年9月にロンドンのリージェントストリート店に「RE.UNIQLO STUDIO」をオープンさせた。ここは、同年4月にオープンしたばかりの新店舗の地下1階にあったリペアサービススペースを拡張。愛着のあるユニクロの服をずっと着続けることができるようなリペアサービスや、新たなアイテムへとリメイクするサービスを提供する専門スペースとしてリニューアルされた。
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入口には「リペア」「リメイク」「リユース」「リサイクル」のサインがかけられている。
ここでは、トレーニングを受けたユニクロのスタッフが専属で対応している。リペアサービスは、ボトムスの裾上げ、ボタン付け、穴あきの補修がメインで、価格は3ポンド(約500円)から。
また、修繕だけでなく、日本人が運営するロンドン拠点のパターン・縫製スタジオ「Studio Masachuka(スタジオ・マサチュカ)」と協力し、日本の伝統的な刺繍である刺し子の技法などを用いたリペアやカスタマイズも可能。
リージェントストリート店独自のアイデアとサービスを提供している。刺し子のサービスは10ポンド(約1,650円)から。
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その他にも、刺し子でカスタマイズした一点物の商品の展示や販売から、刺し子専用のハサミや糸、針、修繕用のケア用品、専門の書籍なども取り扱っている。
ここまでこだわったリペアやカスタマイズサービスを行っているアパレル企業が他にあるだろうか? ユニクロでは、従来にはなかったワンランク上のサービスを提供し、着古した服に新たな命を吹き込むことによって、ごみとして処分されずに長く愛用してもらうことができるという考えを持っている。
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1920年代に理髪店として使われていたスペースが、ユニクロの「RE.UNIQLO STUDIO」に生まれ変わった。
リージェントストリート店は19世紀に建てられた指定建造物の地下1階と地上2階が売り場となっており、近隣には老舗のテーラーが軒を連ねる。「RE.UNIQLO STUDIO」のある地下1階は1920年代の理髪店を改装し、当時のアールデコ様式を活かした風情ある内装が特徴的だ。
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「RE.UNIQLO STUDIO」では、リペアやカスタマイズサービス以外にもリユースとリサイクル活動に力を入れている。
リサイクルボックスを店内に設置し、顧客から不要となった衣類を回収し、難民キャンプや被災地など衣料を必要としている人たちに届けている。グローバルパートナーシップを結ぶ国連難民高等弁務官事務所や世界のNGO・NPO団体と協力し、2021年8月の時点で、世界79ヵ国、4,619万点の衣料を寄贈している。
この活動は「RE.UNIQLO STUDIO」がオープンする以前からすでに20年以上にも渡り、行われてきた。
また、回収された衣料のうち、リユースに適さないものが発生した場合は、リサイクル加工して燃料や防音材として再利用しているとのこと。
さらに「RE.UNIQLO STUDIO」では、着なくなったダウンジャケットからダウンとフェザーを分離させ、リサイクルすることによって新たなダウン商品をつくり出す独自の開発も実施。ダウンとフェザーを100%リサイクルすることによって、生産過程におけるCO2排出量を約20%削減することが可能だそうだ。
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「RE.UNIQLO STUDIO」はリージェントストリート店が最初の店舗となるが、実はリペアサービスのアイデアはドイツ初の店舗として2014年にベルリンにオープンしたタウエンツィーン店から生まれたという。
ベルリンでは、衣料の不良箇所を直した商品をNGO法人「ベルリナー・シュタットミッション」の協力のもとホームレスに提供する活動を行っている。そのリペアの様子を実際に見てもらうために、タウエンツィーン店の一角にミシンや作業台を設置し、リペアサービスのコーナーをつくったことから始まった。
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ドイツのユニクロにあるリペアサービスのコーナー。
2022年6月から本格的にサービスが開始され、ダウンやジーンズの穴開きの補修やシャツのボタンつけ、ニットのほころびの修繕などに対応している。
ベルリンのタウエンツィーン店も「RE.UNIQLO STUDIO」としてリスタートすることが決定しており、同様に、東京、ニューヨーク、アジア諸国でも広がりを見せている(※東京の「RE.UNIQLO STUDIO」は期間限定でオープン)。
こういったサービスを店頭で実施することは、ごみを減らしひとつのものを大切に使い、地球環境への配慮、貧しい人々への支援、持続可能なものづくりの可能性を店頭から世界へ伝えていくことができるのではないだろうか。
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