クリエイティブ集団「Konel」が、衣類や布団などの繊維廃材を素材とした下駄「QUON」を開発。10月21日より日本最大級のデザイン&アートフェスティバル「DESIGNART TOKYO 2022」にて一般公開し、受注生産を開始している。
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日本橋・金沢・下北沢を拠点に活動するクリエイティブ集団「Konel(コネル)」が、衣類や布団などの繊維廃材を素材とした下駄「QUON(クオン)」を開発した。10月21日より「DESIGNART TOKYO 2022」にて一般公開し、受注生産を開始している。
「DESIGNART TOKYO」は2017年にスタートした日本最大級のデザイン&アートフェスティバル。世界屈指のミックスカルチャー都市である東京を舞台に、アート、デザイン、インテリア、ファッションなど多彩なジャンルをリードする才能が集結し、都内各所でプレゼンテーションや展示が開催される。
今回の展示では、繊維リサイクルボード「PANECO®(パネコ)」、リサイクル新素材ボード「リフモ®」とのコラボレーションによって制作したプロトタイプを公開。「QUON」は繊維廃材を素材とすることから、従来の木下駄よりも足音が静かで、カラフルなテクスチャーはファッションとしての楽しみを拡張している。
また、再生素材で伝統とファッションを融合させるサステナブル・プロダクトとして、循環型社会を目指す企業に対して「QUON」の受注生産を開始し、ファッションブランドはもちろん、ホテルや宿泊施設における展開にも注力していくとしている。
「QUON」プロジェクトでは今後、製造、実用、流通、発信など各プロセスにおいて、さまざまな企業やブランドとのコラボレーションを進めていきたいとしている。
日本における古着・古布などの繊維系廃棄物は年間200万トン以上だが、繊維リサイクル率は約10%前後にとどまっており、諸外国におけるリサイクル率を大きく下回る(ドイツでは約65%の繊維がリサイクルされている)。
「QUON」はすり減った歯を交換できる構造でつくられており、履き続けることでリサイクル率向上に貢献できる。
今回発表するプロトタイプには、循環型繊維リサイクルボード「PANECO®」、リサイクル新素材ボード「リフモ®」を素材として用いており、知財図鑑に所属する知財ハンターのリサーチを通して、2つの素材とのマッチングが実現している。
循環型繊維リサイクルボード「PANECO®」はファッションロスと地球環境問題に、ディスプレイ・デザインの視点からアプローチし、地球にリスペクトした、廃棄衣料繊維を原料とするサステナブルな美しい循環型-環境配慮型素材の繊維リサイクルボード。
布だけではなく合成皮革など廃棄衣料品に含まれるさまざまな繊維をアップサイクルすることができる。また、硬度があり加工しやすく、空間の内装、ディスプレイ什器、家具など、多種多様な目的に使用することができ、使用後も再びボードとしてリサイクルすることが可能だ。
リサイクル新素材ボード「リフモ®」は門倉貿易が繊維リサイクル率の向上を目指して、公的助成金を受けながら開発を行った100%繊維系廃材からできたリサイクル素材。繊維廃棄物を加熱・加圧成形して開発した新素材であるリフモは木材・プラスチックの代替品に留まらず、特性を活かした独自素材として利用されており、さまざまな分野からさらなる期待が寄せられている。2013年6月には「エコマーク」の認定を取得している。
「Konel」は「妄想と具現」をテーマに、30職種を超えるクリエイター/アーティストが集まるコレクティブ。 スキルの越境をカルチャーとし、アート制作・研究開発・ブランドデザインを横断させるプロジェクトを推進している。
日本橋・下北沢・金沢の拠点を中心に、多様な人種が混ざり合いながら、未来体験の実装を続けていて、 グループの知財図鑑では、先端テクノロジーの応用法を発信し、企業との共創に取り組んでいる。
主な作品に、脳波買取センター《BWTC》(2022)、パナソニックの共同研究開発組織「Aug Lab」にて共作した《ゆらぎかべ - TOU》(KYOTO STEAM 2020 国際アートコンペティション スタートアップ展)や、フードテック・プロジェクト OPEN MEALS(オープンミールズ)と共作した《サイバー和菓子》(Media Ambition Tokyo 2020)などがある。
お問い合わせ先/株式会社コネル
https://konel.jp/
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