Photo by ©︎ Ichiro Mishima
1914年にジャン・パトゥがパリで立ち上げ、現在はギョーム・アンリがアーティスティックディレクターを務めるクチュールメゾン、「PATOU」。持続可能でフェアな、価値のある発展への貢献を掲げるメゾンのその取り組みとは? 表参道ヒルズ内にオープンした世界初の旗艦店にも注目したい。
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Photo by ©︎ Ichiro Mishima
30年以上に渡る活動休止を経て、2020年春夏からはギョーム・アンリ (Guillaume Henry) がアーティスティックディレクターを務め、コレクションを発表している 「PATOU(パトゥ)」。
長い歴史をもちながらも “若い” このメゾンがいま掲げるのは「持続可能でフェアな、価値のある発展に貢献していく」ということ。事業活動の環境フットプリントの制限や生産者との独自の関係の構築などを含む取り組みは “The Patou Way” と称され、主に4つが挙げられる。
パトゥでは、パッケージ、ショッピングバッグ、商品ラベル、ギフトラッピングに至るまで、すべてのパッケージに環境に配慮したリサイクル素材または100%リサイクル可能な材料を使用している。
商品タグには再生紙、ラベルや品質表示タグには再生ポリエステル、配送用の箱には100%リサイクル段ボール(FSCラベル)、保管用パッケージにはじゃがいものでん粉からつくられたバイオプラスチックを採用。ハンガーも100%リサイクル材料由来でつくられている。
パトゥの各製品についているQRコードをスキャンすると、ギョーム・アンリがアトリエで制作した服のスケッチや生産工場での制作シーンなど、製品の足跡が辿れる。製品がどのように生まれ、どこでつくられたのかを知ることができるのだ。
また提携工場や生産パートナーのCSRイニシアティブ(社会課題に対応するための構想や戦略)をサポートし、促進する活動も行う。あるニットメーカーでは、女性を積極雇用することで社会への統合を支援し、伝統工芸であるハンドニットを保護する活動をサポートしている。
パトゥのプレタポルテコレクションの3分の1以上のアイテムは、オーガニックコットンや再生ポリエステル、ウール、リサイクルウールなどの環境に配慮した原材料からつくり出されている。ファーやレザーは使用していない。
また、製造品の90%以上は市場に送り出され、さらにはコレクション全体の10%を「エッセンシャル(定番)」アイテムとしてシーズンを越えて維持。廃棄の減少にもつながり、サステナブルな取り組みだ。
パトゥの本社やショップの内装には、リサイクル木材パネルから製作したデスクや保管棚、木材を優先的に使ったナチュラル素材のフローリングやヘンプのカーペットが使用されている。また、低エネルギー電球「TRIDONIC LED照明」を採用するなど、細部まで環境に配慮。"親しみやすさと責任感"のあるエコなデザインがモットーだ。
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2月末に東京・表参道ヒルズ内にオープンしたパトゥ世界初の旗艦店にもエコマテリアルを積極的に取り入れている。
今回店舗設計を担当したのは建築家の小野寺匠吾。「ギヨームと対話を重ねながら店舗デザインやコンセプトを構築する中で、環境への配慮は自然なことだった」と話す。
テーブルやチェアなどの家具には木材からできた中質繊維板(MDF)を、フィッテイングルームのカーテンには石油系の材料は使用せず持続可能な方法でつくられたコットン100%を採用。またスーパーソフトナイロン製のカーペットは、環境にやさしいコンディションのもとで生産され、有機物質を含んでいない証である「GUT試験認定」を取得している。
工事期間中には、排出される廃材のリサイクル率も高く保つように配慮された。
Photo by ©︎ Ichiro Mishima
「Le Patou バッグ」は、眠っていたレザーを使用しつくられたレザーハンドバッグ。数量限定のシリアルナンバー入り。
ありふれた素材を扱いながらも、普遍的で魅力的な空間に仕上がっている店内。友人の自宅を訪れたような居心地のいい雰囲気は、フェミニンでありチャーミング、エレガントでありながらフレンドリー、特別感がありながらベーシック。洗練されたインテリアが、色鮮やかなパトゥのコレクションを際立てている。
パリ・シテ島に構えるメゾンの世界観と日本の美しい感性が融合したパトゥ 表参道では、最新のレディ・トゥ・ウエアやアクセサリーがフルラインアップで取り揃えられている。
Patou Omotesando
電話番号
03-6455-4810
住所
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前4丁目12−10 表参道ヒルズ1階
営業時間
表参道ヒルズの営業時間に準ずる
店舗に関するお問い合わせ先/パトゥ 表参道
03-6455-4810
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