フットウェアブランド「adidas(アディダス)」と「Allbirds(オールバーズ)」は気候変動問題に取り組むパートナーシップを締結。互いの技術やノウハウを共有しながら、フットウェア業界が排出するカーボンフットプリントの削減を目標に、サステナブルなシューズの開発を進める。
ELEMINIST Press
最新ニュース配信(毎日更新)
サステナブルに関わる国内外のニュース、ブランド紹介、イベントや製品発売などの最新情報をお届けします。
わたしたちの買い物が未来をつくる|NOMAが「ソラルナオイル」を選ぶワケ
フットウェアブランド「adidas(アディダス)」と「Allbirds(オールバーズ)」はフットウェア業界が排出する二酸化炭素の削減に向けたコラボレーションプロジェクトを始動するパートナーシップを締結した。
生産過程およびサプライチェーンを革新し、さらなる再生可能素材の追求によって、史上もっともカーボンフットプリントの低いスポーツパフォーマンスシューズを開発することを目的としている。カーボンフットプリントとは、製品をつくるために排出された、あらゆる温室効果ガスの排出量をCO2の排出量に換算したものだ。
今後、アディダスとオールバーズは互いのサステナビリティに関する革新的な技術を共有し、気候変動に対応するための新たな基準を業界にもたらそうとしている。
ジェームズ・カーンズ氏
アディダス ブランドストラテジー(戦略)のヴァイスプレジデントであるジェームズ・カーンズ氏は次のように意気込みを語っている。「アディダスとオールバーズはサステナビリティについてただ話し合うのではなく、進歩を促し、実際に行動するブランドであり続けたいと考えています。両ブランドは近年、サステナビリティにおいて革新的な成果を出しており、その実績はフットウェア業界の基準に影響を与えるきっかけになります」
ティム・ブラウン氏
オールバーズ共同CEOのティム・ブラウン氏もまた、企業が持つべき環境問題への責任をこう語っている。「全世界における温室効果ガス排出削減は急務であり、その課題解決はオールバーズやアディダスといった個々のブランド以上に大切です。
気づいていようがいまいが、これは地球上の全人類が取り組むべき課題であり、企業同士の競争よりはるかに重要です。私はこのパートナーシップが将来のよりサステナブルな、ゼロ・カーボン社会の実現に向けての先例となることを期待しています。
私たちの希望は、このパートナーシップが大勢の人たちにとって、アイディアや研究を共有するきっかけとなり、持続可能なライフスタイルを実現することです」
ジェームズ・カーンズ氏はこのようにも語っている。「地球への配慮がもっとも大切ですが、同時にアスリートのフットウェア エクスペリエンス(体験)の向上を追求し続けることが我々のミッションです。よって成果はアスリート、そして地球の両方にとっても最適なものでなければなりません」
このプロジェクトでは、業界でも最上級であるアディダスのパフォーマンス基準を備えたアスリートシューズを生み出すことが目標だ。最高水準の品質を保つため、開発されるシューズはオールバーズのライフサイクル測定ツールを使用し、総合的なカーボンフットプリントが計測される。
アディダスは自社の「End Plastic Waste」プロジェクトの一環として、2030年までに自社のカーボンフットプリントを30%削減し、2050年までにカーボンニュートラル達成という目標を掲げている。
オールバーズの「Tread Lighter」プログラムは事業全体のカーボンフットプリントを測りながら削減する取り組みを象徴し、100%カーボンニュートラルビジネスを保つためにカーボンフットプリントを可能な限りオフセットするとしている。
それぞれが取り組んできたアクションをパートナーシップによって共有し、互いの技術、生産工程、自然素材の使用法などを融合していく姿勢は、フットウェア業界にとどまらず多方面から注目を集めている。
ティム・ブラウン氏は「これは一企業だけで解決できる課題ではない」と強調している。気候変動に立ち向かうには、想像できないほど大きな力が必要だ。企業と企業が手を組み業界を動かしていくことが、今後ますます求められていくに違いない。
今回のパートナーシップがフットウェア業界を動かし、さらに他業界にも影響を与えていくことを期待しながら、消費者である私たちもますます意識を高めていきたい。
問い合わせ先
アディダス:https://shop.adidas.jp/
オールバーズ:https://allbirds.jp/
ELEMINIST Recommends