LEED認証とは 認証の種類と評価レベル・日本の事例を詳しく解説

環境に配慮した建物を認証する「LEED認証制度」

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LEED認証とは、人や環境について考慮した建物を評価する国際認証制度のこと。LEED認証のカテゴリーやレベル、評価項目について紹介する。また日本でLEED認証を取得した事例や、申請の流れについても解説する。

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2021.11.24

LEED認証とは

環境に配慮した建物を認証する「LEED認証制度」

Photo by Elifin Realty on Unsplash

LEEDとは、環境に配慮した建物を評価する認証制度だ。非営利団体USGBC(U.S. Green Building Council)が開発・運用し、GBCI(Green Business Certification Inc.)が第三者機関として認証の審査を行っている「ビルト・エンバイロメント(建築や都市の環境)の環境性能評価システム」である。

LEED認証マークによって、設計・建設段階や維持方法などにおいて、人や環境に対する安全性を配慮し、資源を削減し、再生可能なクリーンエネルギーを促進する建物だとわかる。 

認証の5つのカテゴリー

LEED認証システムは、評価する対象別に5つのカテゴリーに分類される。

1. BD+C:ビルの設計/建築

「BD+C(Building Design and Construction)」は、新築または大規模な改築を行う建物が対象となる。主要な空調設備の改修、建物外装の大規模な改修も対象となり、レストランやアパレルといった小売業用の建物、学校、ホテルなどが該当する。

2. ID+C:インテリアの設計/建設

「ID+C(Interior Design and Construction)」は、インテリア工事のプロジェクトに適応される。一般消費者向けの小売用サービススペース、ショールームの他、ホテルのインテリアなどが該当する。

3. O+M:ビルの運用管理

「O+M(Building Operations and Maintenance)」は、大きな改修工事を行わずに運用やメンテナンスの向上によって改善を進めるものが対象。既存のビルや小売スペース、学校、ホテル、倉庫などが該当する。

4. ND:エリア開発

「ND(Neighborhood Development)」の対象は、新規の土地開発および再開発。プロジェクト完成前は予備認証を受けることが可能で、過去3年以内の完了であれば申請を行い、最終認証を受けられる。

5. Homes:住宅

「Homes」は、戸建住宅や3階以下の低層住宅、4〜8階の中層共用住宅に適用される。

その他:シティ&コミュニティ

上記の5つのカテゴリーの他、人々のQOL(Quolity of Life:生活の質)向上を目的とした「シティ&コミュニティ」のカテゴリーもある。いままでの認証システムとは違い、都市やコミュニティに適用され、市町村などの自治体はもちろん、地域やキャンパスなどのコミュニティも含まれる。

認証レベル

LEED認証には4つのレベルがある。それぞれの評価項目で獲得するポイントによってレベルが決まる。各レベルの必要なポイント数は下記の通りである。

標準認証

40-49ポイント。もっともポイント数が少ない認証にあたる。

シルバー

シルバーは、50-59ポイントが必要。

ゴールド

ゴールドは、60-79ポイントが必要。

プラチナ

もっとも評価が高いのがプラチナで、80ポイント以上となる。

評価項目

環境に配慮した建物を認証する「LEED認証制度」

Photo by Drahomír Posteby-Mach on Unsplash

LEED認証で基準となる評価項目には、必須項目と選択項目がある。必須項目については、すべての基準を満たさなければLEED認証の取得は認められない。選択項目については、認証の種類ごとに選択項目が設けられ、ここでの評価ポイントが加点される。

主な評価項目と選択項目には以下のものがある。

・統合的プロセス
・立地と交通
・材料と資源
・水の利用
・エネルギーと大気
・敷地選定
・室内環境
・革新性
・地域別重み付け
・立地選択と敷地利用
・近隣のパターンとデザイン
・グリーンな近隣インフラと建築物

資源やエネルギーの削減、立地やデザインなども評価の対象となる。

世界と日本のLEED認証件数

LEED認証は、環境に配慮した建物の認証制度のなかで、世界でもっとも利用されている認証のひとつ。

2020年7月時点で、世界の認証件数は86,081件。認証件数がもっとも多いのは、USGBCの本場であるアメリカで、69,318件。次いで、カナダ4,388件、中国2,242件だ。(※1)

一方、日本は149件で、認証件数は世界で22番目に多い国となる。ただ2009年には3件、2010年は10件だったことを考えると、認証件数は毎年着実に増加していることがわかる。(※1)

日本の認証取得事例

日本郵政グループ本社プロジェクト

認証レベル:ゴールド、認証取得年:2019年

日本郵政は大手町本社移転にともない、世界レベルの環境性能を備えたオフィススペースの導入を目指してきた。全フロアに先進のLED照明設備を設置し、エネルギー効率の最適化を図るなどし、CI(コマ―シャルインテリア)カテゴリーの認証を取得。LEED-CI認証取得としては日本最大級の規模である。

クロスゲート金沢

認証レベル:シルバー、認証取得年:2020年

金沢駅前に2020年にオープンした商業施設「クロスゲート金沢」は、施設全体でLEED-NDを取得。また施設内にあるホテルで、LEED-NC(現在のBD+C)を取得している。

既存の前面道路を歩道化する開発を行ったことで新たな歩行者空間を生み出した。内装仕上げ時の塗料なども、安全性の高いものを使用。フルサービスホテルでのLEED認証取得は日本初である。

大阪大学箕面キャンパス

認証レベル:ゴールド、認証取得年:2021年

大阪大学がキャンパス移転の際、掲げていたのが「地球と人にやさしい未来志向のキャンパス」という構想だ。省エネ・省資源・サステナビリティ・低炭素社会の実現を目指し、LEED認証を取得。

大学キャンパスでのLEED-ND認証は日本初であり、大学施設でのLEED-NC(新築部門)は国内で2例目となった。

スターバックス コーヒー 神戸メリケンパーク店

認証レベル:標準認証、認証取得年:2019年

神戸開港150周年を記念して再整備されたメリケンパーク。ここにオープンしたスターバックス コーヒーは、地域への貢献と環境に配慮した店づくりを推進。六甲山の間伐材をバーカウンターに使用し、コーヒーの豆かすを再利用した建材を使用した他、屋上緑化などを導入し、環境性能が優れた店舗としてLEED認証を取得している。

LEED認証の審査のプロセス

LEED認証の審査は、第三者審査機関であるGBCIのみが行っている。審査は、「Design Review」と「Construction Review」の2回。それぞれの審査で必要書類を提出後、約1ヶ月で審査結果が出る。そのため、認証取得までには竣工後2〜3ヶ月がかかる。また取得後、5年間は実績データの提出が求められる。

LEED認証取得件数が増えた未来には

LEED認証の特徴のひとつに、新築だけでなく既存建物も対象になっていることが挙げられる。改修工事を実施する他、改修工事を行わなくても運用やメンテナンスによる改善も認証されるケースがある。

日本では新築が良しとされる傾向がまだある。だが、既存の建物に対してアプローチし、いまあるものをよりよいものに生まれ変わらせることは、サステナブルな観点で大事なことだ。

人々が生活のなかで温室効果ガスの排出を減らす努力をすることはもちろん、建物から環境を配慮することも、今後ますます必要になっていくだろう。LEED認証を取得する建物が増えることで、人々の環境への意識が高まっていくのではないだろうか。

※掲載している情報は、2021年11月24日時点のものです。

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