インターネットで受験できる「eco検定(エコ検定・環境社会検定試験)」は、近年人気の資格だ。具体的にどんな資格で、取得するとどんなメリットがあるのか、過去問についても解説しよう。
ELEMINIST Editor
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「eco検定(エコ検定)」とは、東京商工会議所が主催する民間資格のひとつである。「環境社会検定試験」とも呼ばれている。
eco検定の目的は、複雑・多様化する環境問題に関する幅広い知識を身につけ、ビジネスと環境の相関を的確に説明できる人材を育成することだ。企業間取引はもちろん、消費者一人ひとりが、「その企業が環境に対してどのような責任を負っているのか」を知った上で、利用する商品・サービスを利用する時代が到来している。
ただ単純に「環境に配慮した取り組みを行っている」だけではなく、それを「対外的にアピールし納得してもらう」ための能力が求められている。eco検定は、そうした能力を体系的に身につけるための資格試験なのだ。
eco検定に合格すれば、環境問題に興味・関心を抱いていることを、客観的に証明できるだろう。就職活動や転職活動において、アピールポイントのひとつとして活用する人も多い。
また、企業にとっても「環境問題に対してどのような取り組みをしているのか?」は、非常に重要なポイントである。eco検定に合格している社員が多ければ多いほど、「環境問題に対する意識が高い企業」というイメージを、対外的にアピールできるだろう。
SDGsの取り組みが国・自治体・企業・個人レベルで広く求められているいま、eco検定を社員の教育ツールに導入するケースも増えているという。
また検定に合格した後に「エコピープル」として登録すれば、エコピープルマークの使用が可能になる。名刺やブログなどで発信すれば、環境への意識の高さを訴えられるはずだ。さらに、エコピープルを対象にした限定セミナーや各種交流会にも参加できるようになる。
eco検定の試験の概要は、以下のとおりである。範囲や時期、出題方式から合格率まで、詳しい情報をチェックしてみよう。
検定の問題は、主に公式テキストに記されている知識から出題される。また、基本を理解した上での応用力も問われる内容だ。公式テキスト以外にも、時事問題が出題されるケースも多いため、テキストをベースに、世界や日本、各団体の動きや話題になったできごとを、総合的にチェックしておく必要があるだろう。
1年に2回(2022年は7月22日~8月8日と11月11日~11月28日)に実施
90分
IBT・CBTの2方式から選択可能
・IBT(Internet Based Testing):各自のコンピュータで受験する方式
・CBT(Computer Based Testing):テストセンターのコンピュータで受験する方式
学歴・年齢・性別・国籍などの条件はなし
100点満点とし、70点以上で合格
IBT方式:自宅や職場など
CBT方式:全国各地のテストセンター
IBT方式:5,500円(税込)
CBT:5,500円+CBT利用料2,200円(税込)
試験終了後に配布されるスコアレポートにて、即時発表(試験終了約3時間後より成績レポートのダウンロードが可能)
2019年度から2021年度の実受験者数と合格者は以下のとおり。合格率は毎年70~80%ほどとなっている。
受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
---|---|---|---|
2021年度 | 32,929人 | 24,459人 | 74.3% |
2020年度 | 14,770人 | 11,679人 | 79.1% |
2019年度 | 29,202人 | 21,772人 | 74.6% |
ではここからは、eco検定合格を目指す方に向けて、勉強方法を解説していこう。公式テキストや過去問題、関連アプリなど、エコ検定の資格取得に向けてさまざまな勉強方法がある。
なお、eco検定合格者に行われたアンケートで、7割以上の受験者が「学習期間は2ヶ月以内」と回答した。学習方法しだいで、短期間でも合格を狙える検定と言えるだろう。
eco検定対策で、まず取り組みたいのが、公式テキストを使った基本知識の習得である。
価格:2,860円(税込)
公式テキストでは、環境問題やSDGsに関する基礎知識を幅広く解説。大学や高校の教材としても活用される1冊だ。試験問題は、こちらの公式テストに準拠して出題されるため、確実に合格を目指すのであれば、積極的に学習しておきたい1冊だ。価格:2,200円(税込)
eco検定の過去問題は、先に紹介した「環境社会検定試験(eco検定)公式問題集」に掲載されている。そのほか、東京商工会議所のeco検定のサイト内に簡単な問題集が用意されている。
また東京商工会議所が運営しているものではないが、さまざまなeco検定の試験対策向けの無料アプリがある。〇×式で答えていくことで、スキマ時間を使った学習が可能だ。自分のエコ関連の知識がどのくらいあるか、試してみるのもいいだろう。
eco検定を主催している商工会議所では、検定合格者を「エコピープル」と呼び、エコピープルたちのさまざまな活動を支援している。自身の知識を深めるためにも、環境問題やSDGsに対する姿勢を内外にアピールするためにも、エコ検定の受験は有効である。
eco検定の合格率は高く、比較的取得しやすい資格と言えるだろう。環境問題への認識を高めるための1歩として、挑戦してみてはどうだろうか。
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