ELEMINISTでは、都市における新たな循環型のライフスタイルを模索する特集企画「Urban Circulars(アーバン・サーキュラーズ)」を、サステナブルメディア「IDEAS FOR GOOD」とのコラボ特集として始動する。
ELEMINIST Editor
エレミニスト編集部
日本をはじめ、世界中から厳選された最新のサステナブルな情報をエレミニスト独自の目線からお届けします。エシカル&ミニマルな暮らしと消費、サステナブルな生き方をガイドします。
日本はもちろん、ベルギーやドイツで気候危機による災害が加速しているなか、2030年までに平均気温の上昇を2度以内に収めるためには、抜本的なシステムチェンジや、私たち生活者の意識変革が求められている。
ELEMINISTでは、これまでに各分野の第一人者やキーパーソンへの取材や、国内外さまざまな最新情報を紹介することで、この地球が抱えている問題や、生活者の視点から取り組めるアクションなどをガイドしてきた。
もちろん、ELEMINIST以外にもさまざまな企業やメディアが、こうした問題に立ち向かっている。
そこでELEMINISTでは、さらにエシカルなライフスタイルのためのヒントを届けるべく、サステナブルメディア「IDEAS FOR GOOD」との協働で、特集企画「Urban Circulars(アーバン・サーキュラーズ)」をスタートする。
この特集企画では、サトウキビストローの販売やコミュニティコンポスト「1.2 mile community compost」を運営する「株式会社4Nature」による、堆肥を通して消費者と生産者がつながる新たな循環型コミュニティに注目。IDEAS FOR GOODとELEMINIST、それぞれのメディアならではの視点で記事コンテンツを公開していく予定だ。
この特集企画では、4Natureが5月に始動させた、「CSA(Community Supported Agriculture)」を活用した循環型のコミュニティを通して、都市におけるエシカルな暮らしのあり方を探っていく。
CSAとは、農家が独自の会員を持ち、事前に野菜を購入してもらうことで、収量や市場に左右されずに農業を行うことができるという取り組みだ。会員となる消費者は、実際に農家の顔を知り、生産者のこだわりを聞きながら安心・安全な野菜を受け取ることができる。
野菜の受け渡しの様子
4Natureは、さらにこのシステムに堆肥を組み込むことで、資源の循環や野菜の共創を実現させている。会員が家庭でつくった使いきれない堆肥を農家に提供することで、堆肥を有効活用できるほか、野菜づくりに主体的に関わることができるのだ。
現在では、表参道にある「青山ファーマーズマーケット」を野菜の受け渡しの拠点として、千葉県山武市の農園「農国ふくわらい」とともに取り組みが行われている。会員は「LFCコンポスト」などのコンポストバッグを使用しながら、堆肥づくりについてのオンライン相談会も開催されている。
CSAを活用したこの取り組みには、単なる資源の循環だけにとどまらず、我々生活者が自らの暮らしや農業、社会のシステムのあり方について考え、行動に移すための多くのヒントが詰まっている。
このままでは社会が立ち行かなくなってしまうのは明白だが、かといってラディカルに振り切るのは簡単なことではない。エシカル/サステナブルな暮らしを送る上で、周りとの問題意識のギャップに悩まされている人も少なくないはずだ。
ELEMINISTはこの共同特集で、野菜と堆肥を通した新たなコミュニティが生み出す連帯や、持続可能で豊かな“楽しい”ライフスタイルを模索していく。各界の第一人者への取材はもちろん、農業システムが私たちに与えている影響や、その可能性についても生活者の目線からガイドする。
コロナ禍で日々の食事について考える機会が多くなっているいまこそ、「食べること」や「つくること」、そして持続可能な暮らしのあり方について、この特集を通して一緒に考えてみてほしい。
ELEMINIST Recommends