Photo by WaterAid Fabeha Monir
国際NGO「ウォーターエイド」が、水・衛生の改善によって生まれるインパクトを調査した報告書を、イギリスの「Vivid Economics社」との共同で発表した。報告書によれば、適切な改善がなされれば、今後20年間で開発途上国の経済が数兆ドル規模で改善されるという。
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Photo by WaterAid Fabeha Monir
水・衛生を専門とする国際NGO「ウォーターエイド」が、イギリスの「Vivid Economics社」との共同で、水・衛生の改善によって回避できる経済損失の規模についての調査報告書を発表した。
同報告書では、すべての人が清潔な水とトイレを利用でき、衛生行動を実践できるようになれば、今後20年間で開発途上国の経済が数兆ドル規模で改善されるという。
また、すべての人が基本的な給水設備とトイレを利用し、清潔な水と石けんを使って手洗いすることが可能になれば、それらを実現するための費用の最大21倍のリターンが得られると分析している。
さらに、エチオピアとバングラデシュの事例を取り上げ、各地における水・衛生プログラムがもたらす健康、経済、環境面でのプラスの成果も紹介されている。これらのプログラムは、気候変動が与える影響に対する回復力を高め、女性が直面する水・衛生問題の解決に取り組んでいる。
ウォーターエイド・イギリスのチーフ・エグゼクティブ、ティム・ウェインライト氏は「水・衛生への資金は、このパンデミックを終わらせ、次のパンデミックを防ぐためだけでなく、世界経済に何兆ドルもの価値をもたらし、経済的に立ち直るためにも必要不可欠なものです」と述べ、「G20がより強力で持続的な回復を目指しているなかで、水と衛生への投資は間違いなく最良の選択の一つです」と、その重要性を強調した。
ウォーターエイドの報告書は、すべての人が水・衛生にアクセスが可能になることで生まれるインパクトとして、具体的に以下の6点を挙げている。
1.水・衛生のアクセスがないことによって生じている損失や脆弱性を回避できる
2.人々の健康向上と水汲みで生じるジェンダー格差の是正により、毎年370億ドルを生み出せる
3.生産性の向上や医療費の削減などにより、毎年860億ドルを生み出せる
4.下痢や寄生虫症の発生による死や感染による寿命の低下を防げる
5.水汲みに従事させられてきた女性の解放、エンパワーメントができる
6.呼吸器系疾患の流行時、感染者数を減少させることができる
お問い合わせ先/特定非営利活動法人ウォーターエイドジャパン
https://www.wateraid.org/jp/
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