ドーナツ化現象と逆ドーナツ化現象 コロナ禍で引き起こされた変化とは

ドーナツ化現象は、日本・世界の都市が抱える社会問題の一つだ。近年注目される逆ドーナツ化減少とともに、その意味を解説する。またコロナ禍において、新たな人の流れも生まれつつある。いまならではの動きや、課題解決に向けた対策を知ろう。

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2021.05.31

ドーナツ化現象とは? セットで覚えたいスプロール現象

朝焼けを背景に立つ高層ビル群

Photo by ben o'bro on Unsplash

ドーナツ化現象とは、人口集中によって栄えた都心部から、しだいにその周辺へと、人々が移り住んでいく様子を表す。都心部には、オフィスビルや商業ビルが立ち並ぶが、そこで暮らす人口は決して多くはない。その人口分布に注目してみると、真んなかが開いたドーナツのような形になるため、このように表現されている。

ドーナツ化現象は、日本の都市に潜む社会問題を示すための言葉だが、同様の減少は、歴史的に見ても世界各国の大都市にて報告されている。

ロンドンのドーナツ化現象は、19世紀後半から少しずつ進行してきた。ニューヨークにおいても、中心部の人口が横ばいであるにもかかわらず、郊外の人口は劇的に増加。これによって、

ドーナツ化現象が引き起こされている。日本以外にも、多くの国や都市が抱えている問題と言えるだろう。(※1)

ドーナツ化現象とセットで問題視されるケースも多いのが、スプロール現象である。スプロール現象とは、都心部から郊外への移転の流れにおいて、無計画・無秩序に開発が進められていく様子を示している。

スプロール現象が起きれば、計画的な都市計画は不可能になる。道路や水道、生活に欠かせない各種インフラの整備が遅れ、「暮らしにくい」「交通渋滞の発生」「環境破壊」「災害に弱い」といった問題が発生しがちだ。

ドーナツ化現象がきっかけとなり、スプロール現象が引き起こされるケースも多いため、両者をセットで説明される場面も多い。しかし問題の本質としては、全く別のものだという点を頭に入れておこう。

ドーナツ化現象の原因と背景

ドーナツ化現象の原因は、都心部への過度な人口集中による、土地の高騰や環境の悪化である。都心部に集中した人々が一斉に土地を求めれば、当然その価格は高騰していく。郊外に足を向ければ向けるほど、土地の価格は下落していくため、自然とドーナツ化現象が引き起こされる仕組みである。

土地を購入するだけの資金力がある人にとっても、人口が集中し過ぎたエリアは魅力を失う。人が増えれば環境は騒がしくなるだろう。土地を求める人が多ければ、開発は進み、自然はどんどん減少していく。それよりも「郊外で暮らし、必要なときに都心部へと出かける」生活スタイルのほうが、魅力的というわけだ。

ドーナツ化現象に潜む問題点とは

地上から見上げた高層ビル群

Photo by Matthew Henry on Unsplash

人々が「暮らしたい場所」を自由に選んだ結果、引き起こされたドーナツ化現象。「自然な成り行き」とも思われるが、放置すればさまざまな問題が表面化するだろう。ドーナツ化現象がもたらす問題を、都心・郊外のそれぞれについて解説する。

都心で起きる問題は「ゴーストタウン化」

都心で起きるのは、主に人口減少による各種問題である。都心部には、郊外から多くの人がやってくる。とくに昼間人口は多く、人口減少を身近に感じる機会は少ないかもしれない。

しかし、昼間、別の場所からやってきた人々は、夜になるとそれぞれの地域へと帰っていく。都心部の夜間人口は非常に少なく、ゴーストタウン化する恐れがあるのだ。住人同士のコミュニティは崩壊し、小・中学校は廃止や統合を免れないだろう。都市としての魅力が薄れ、衰退の一途をたどる恐れがある。

郊外で起きる問題は「スプロール現象」

郊外において引き起こされる問題は、急激な人口増加や無秩序な開発によってもたらされるものだ。消費者の興味・関心が都心部から郊外に移れば、そこに商機を見出す業者は多い。インフラ整備が不十分なまま虫食い状に開発が進めば、スプロール現象が引き起こされる。

各種問題を解決するためには、早急なインフラ整備が求められるが、広範囲で無秩序な開発が行われた地域においては、それもままならない。住環境の悪化や生活ストレスの増加、都市機能の低下といった問題が表面化するだろう。

コロナ禍における現状と逆ドーナツ化現象

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大によって、我々の生活には大きな変化が生まれた。近年進行中の逆ドーナツ化現象と、コロナ禍における人々の流れについて解説する。

※掲載している情報は、2021年5月31日時点のものです。

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