7月7日は「クールアース・デー」 みんなで地球環境のことを考える日

七夕の夜空に浮かぶ天の川

毎年七夕に全国各地開催されるクールアース・デー。「地球環境について考える日」として2008年に制定された。国民一人ひとりがエコなアクションを起こし、二酸化炭素の排出量を抑えるのが狙いだ。この試みが始まってから十数年がたったいまでは、例年全国各地でさまざまな取り組みが行われている。

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2021.03.29

7月7日の「クールアース・デー」とは

キャンドルをもつ手

Photo by Rebecca Peterson-Hall on Unsplash

クールアース・デーとは、毎年7月7日の七夕に日本各地で開催される「地球環境について考える日」である。2008年7月7日のG8サミット(通称:洞爺湖サミット)開催に先立ち、日本の環境問題に対するアクションを世界にアピールしようと、同年6月17日の第20回地球温暖化対策推進本部にて採択された。

コンセプトは「七夕は夜空に輝く天の川を見ながら、家族や職場の人たちと地球のことについて考えてみよう」。当日は例年、ちょっとロマンチックなキャンドルナイトや、子ども向けの体験学習イベントなどが全国の至る所で催されている。こうした取り組みを通じて、参加者たちは自分にもできるエコな行動を体験することができる。

地球温暖化の現状と「COOL CHOICE(クールチョイス)」

日本の夏はだんだん暑くなってきている。一日の最高気温が35℃以上の猛暑日が全国的に増加し、熱中症対策はもはや当たり前のこととなった。最近は公立の小・中学校等にもエアコンが導入され、いまや設置率はなんと93パーセント。令和の学生がうらやましい限りだが、その反面で電力消費はますます増えるばかりだ(※1)。

電力の需要が高まると、どういう問題が起こるのか。現在、日本の電力のうち77パーセントは、化石燃料を用いた火力発電によって賄われている。そのため、発電量を増やすと、温室効果ガスである二酸化炭素がこれまで以上に排出されることになる。結果として、温暖化に拍車がかかってしまうのだ(※2)。

とはいえ、日本はパリ協定により、2030年までに温室効果ガスを2013年度より26パーセント減らさなければならない。そのため、これ以上環境問題を悪化させないために、国はいま「COOL CHOICE(クールチョイス)」を推進している。これは、省エネ製品への買い替えをはじめ、地球にやさしいライフスタイルや働き方をするように促す取り組みである。

COOL CHOICEのキャンペーンの一つとして、「スマートムーブ」があげられる。これは、通勤・通学や旅行時に、公共交通機関を利用したりエコドライブしたりすることにより、二酸化炭素の排出量を減らそうという試みだ。

結果は良好で、青森県では2020年10月の一ヶ月間だけで、約8万キログラムのCO2を抑えることができた。この数字は、約7000世帯分の1日のCO2排出量に匹敵するそうだ。それだけでなく、自転車や徒歩での移動を始めたことにより、人々の健康増進につながったり、バスや鉄道事業を支えることにも寄与できたという(※3)。

国は他にも、クールビズやウォームビズの推進など、市民レベルでできる温暖化対策を推奨している。脱炭素社会に向けて、これらの取り組みはこれからも続いていく。

昨年までの取り組み内容

七夕の夜空に浮かぶ天の川

Photo by Mathew Schwartz on Unsplash

クールアース・デーが始まってから15年以上が過ぎ、いまでは全国津々浦々で大小さまざまな取り組みが行われている。

2020年度にも、地元企業や自治体主導のライトダウンキャンペーンが各地で行われた。これは、6月下旬の夏至の日から七夕までの期間中、ノー残業を推奨して事業所の電力消費を抑えたり、街のイルミネーションを2時間ほど消灯したりすることにより、CO2排出量削減を狙ったものである。

また、東京都文京区では、2019年にクールアースフェアを開催。(2020年は中止)毎日の生活に役立つエコな情報の展示や、楽しみながら学べる体験コーナーなどを設置し、市民への環境教育を実施した。当日は多くの人たちで賑わい、さまざまな取り組みに関心を示していた。

2021年3月時点では、2021年に予定されているイベントやキャンペーン情報はまだほとんどない。

クールアース・デーは、地球のことを想う一日

忙しい毎日のなかで、環境について考える時間はなかなか取りづらい。だから、年に一回の七夕の日くらいは、みんなとキャンドルに明かりを灯して、ゆっくり地球のこれからのことを語り合ってみては。

いつも自分がしていることや、意見を周りとシェアしてみたら、環境に関心を持つ人がもっと増えていくかもしれない。

※1 公立学校施設の空調(冷房)設備の設置状況について(P2)|文部科学省 
https://www.mext.go.jp/content/20200926-mxt_sisetujo-000010119_06.pdf
※2 非効率石炭のフェードアウト 及び 再エネの主力電源化に向けた 送電線利用ルールの見直しの検討について(P34)|資源エネルギー庁
https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/denryoku_gas/pdf/026_03_00.pdf
※3 <実施結果発表!>令和2年度「スマートムーブ通勤月間」|青森県庁
https://www.pref.aomori.lg.jp/nature/kankyo/aomori-smartmove-tsuukingekkan-kekka.html

※掲載している情報は、2021年3月29日時点のものです。

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