持続化な都市交通を考える日「カーフリーデー」 日本における普及の現状と実施の内容とは

自転車

「持続可能性」を目指す動きは交通分野にも広がっている。ヨーロッパで始まったカーフリーデーは2004年に日本にも登場して以来、少しずつ参加都市を増やしている。カーフリーデーの目的や2021年の開催情報を見てみよう。

ELEMINIST Editor

エレミニスト編集部

日本をはじめ、世界中から厳選された最新のサステナブルな情報をエレミニスト独自の目線からお届けします。エシカル&ミニマルな暮らしと消費、サステナブルな生き方をガイドします。

2021.01.31
SOCIETY
学び

エシカルマーケティングとは? メリットや実例をわかりやすく紹介

カーフリーデーとは

公園を歩く人

Photo by Arek Adeoye on Unsplash

カーフリーデーとは、ヨーロッパで毎年9月16~22日に開催される「ヨーロッパモビリティウィーク」という交通政策推進プロジェクトの最終日である22日に実施されるイベントだ。

この日、街の中心部で人々はマイカーの変わりにバスや電車などの公共交通機関、徒歩、自転車などで移動する。

発祥はフランスのラ・ロシェルで実施された「車のない日」という都市政策。現在はヨーロッパ全土に広がっている。各地で都市の交通や環境問題に関するシンポジウムや展示会が開催される日でもあり、市民が交通や環境「持続化な都市交通とはなにか」について考える日となっている。

日本国内のカーフリーデー

主催団体・開催時期

日本でヨーロッパモビリティウィーク&カーフリーデーを推進するのは「カーフリーデージャパン」という団体だ。

2004年に設立され、2012年5月に「一般社団法人カーフリーデージャパン」に名称変更した。日本で都市は2004年に3市が参加し、その後微増している。

2019年には世界50カ国、3135都市、日本では13都市が参加した。参加都市は原則自治体単位となるが、日本では市民団体の参加も認めている。

また2019年に日本でカーフリーデーに参加した都市は以下の13都市だ。車以外の代替交通手段がある都市が中心となっている。

・仙台市(宮城県)
・さいたま市(埼玉県)
・横浜市(神奈川県)
・逗子市(神奈川県)
・松本市(松本市)
・豊橋市(愛知県)
・奈良市(奈良県)
・大阪市(大阪府)
・金沢市(石川県)
・福井市(福井県)
・京都市(京都府)
・福山市(広島県)
・那覇市(沖縄県)

イベントの内容

車に過度に依存しない交通体系を目指すという理念のもと、カーフリーデーは各都市で趣向を凝らしたイベントが開催されている。

一般社団法人カーフリーデージャパンでは、2008年度から毎年それぞれの都市の取組を表彰する「モビリティウィーク&カーフリーデー日本アワード」を設けている。アワードには次の4種類がある。

・まちづくり貢献賞
・イベント・プロジェクト賞
・市民向けアピール賞
・カーフリーデーベストショット賞

国内のカーフリーデーがより多くの地域で開催され、互いに刺激し合い、その質を高め合うことを目的としている。

カーフリーデーへの参加方法

カーフリーデーに参加する手順は次のとおりだ。

1. 一般社団法人カーフリーデージャパンにメンバー登録申込書を提出
2. 参加登録費を振り込む
3. ヨーロッパ運営委員会に参加手続きを行う

申し込みから開催までは、参加団体のメーリングリストを通じてやりとりを行う。実施にあたっては、事務局のナショナルコーディネーターのアドバイスを受けることも可能だ。

参加登録費は、環境モデル都市や政令指定都市は10万円/年、その他人口10万人以上の自治体は5万円/年、10万人以下の自治体は2.5万円となっている。

NPOなど市民団体の場合は1.5万円/年。詳細は一般社団法人カーフリーデージャパンの公式サイトを参照のこと。

2021年の開催情報

車の通ってない道路

Photo by Micheile Henderson on Unsplash

カーフリーデージャパンの公式サイトは更新されていないが、ヨーロピアンモビリティウィークの公式サイトは2021年1月に更新を行っている。

現在、参加国・参加都市の応募は受付中。2021年のモビリティウィークは9月27日〜10月1日または、10月18日〜10月22日を予定しているという。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が開催に与える影響は否定できない。リアルとオンラインを組み合わせたものや参加人数を200〜250人ほどに絞った開催方法を検討中だ。

日本での説明会は例年5〜6月に開催されているが、2020年の説明会は中止となっている。参加を検討している団体は、こまめに公式サイトをチェックしておこう。

カーフリーデーはアピールの機会

持続可能な交通体系への知見がある自治体や民間団体にとって、カーフリーデーへの参加は知見を内外に広め、その分野の先駆者となれる機会でもある。

過去の開催地は地域の文化・歴史的な土地を紹介する場としても活用してきた。持続可能な交通体系を模索中の自治体や団体にはよいアピールの機会となるだろう。

※ 参照サイト
EUROPEAN MOBILITY WEEK|カーフリーデージャパン
https://carfreedayjapan.jimdofree.com/
車のない日、カーフリーデー|国土交通省
https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/carfreeday/carfreedayindex.html

※掲載している情報は、2021年1月31日時点のものです。

    Read More

    Latest Articles

    ELEMINIST Recommends