性別のステレオタイプにとらわれない「クロスドレッサー」の多様性とは

パレードでレインボーの旗を掲げる人

「クロスドレッサー」とは、生物学的な性別とは異なる装いをする人のこと。クロスドレッサー=同性愛者とは限らず、さまざまな理由で異性装をする人々が存在する。LGBTなど多様なセクシャリティが認識されつつあるいま、クロスドレッサーという概念も確認しておきたい。

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2021.02.03
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クロスドレッサーとは

LGBTパレードに集まる人々

Photo by Mercedes Mehling on Unsplash

「クロスドレッサー(Cross-dresser)」とは、自分の生まれ持った体の性別とは違う装いをする人のこと。例えば、髪が短く「ボーイッシュ」な服装を好む女性や、メイクをしたりスカートを履く男性のことを指す。

生物学的な性別に関わらず、服装や髪型、メイク、言葉遣い、振る舞いなどによって、人からどう見られたいか、自分がどのような性を表現したいか、を表すことを「性表現」という。

クロスドレッサーの人々は、社会から求められる「女性らしい」「男性らしい」といった性別におけるステレオタイプにとらわれない性表現をする。また、性自認や性的指向は関係ないため、あくまで性表現におけるセクシュアリティなのである。

クロスドレッサーは、日本語では「異性装者」とも訳されるが、自分の性別とは異なる服装をする、というような言葉自体が固定観念に縛られているといった指摘もある。また、異性の服装を着用することによって、性的な興奮を覚える場合には「トランスヴェスタイト」と呼ばれることもある。

クロスドレッサーの多様性

異性装をしているからと言って、全員がゲイやレズビアン、トランスジェンダーであるとは限らない。

クロスドレッサーは性自認や性的指向に関わらず、生まれ持った性別とは異なる性表現をしている人のことを指す。そのため、クロスドレッサー=他の性になりたい・同性愛者であるとは断言できないのだ。

また、異性装をするのにもさまざまな理由がある。例えば、それを趣味やファッションの一部としている人もいれば、社会から求められる「らしさ」への抵抗、変身願望、宗教儀式、異性装による性的な興奮、犯罪の捜査など。

さらに、クロスドレッサーの人々は常に異性装をしているとも限らず、特定の状況や空間においてのみする人もいるという。

クロスドレッサーの苦悩と社会のあり方

クロスドレッサーであることによって、同性愛者というような偏った見方をされたり、「女性らしくない」「男性らしくない」と、社会から求められる性別的ステレオタイプに悩まされることもあるだろう。

私たちは自分自身で自覚しているよりも、性別における「らしさ」に縛られている。先入観や偏見を持たず、それぞれの個性を認め合える社会へと変化していく必要があるだろう。

※掲載している情報は、2021年2月3日時点のものです。

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