2023年7月28日(金)に、表参道駅からほど近い「ライトボックススタジオ青山」を会場にエシカル・インフルエンサーイベント「ELEMINIST MEET Vol.1」が開催された。前編では、出展したフードブランドの様子をメインにレポートをお届けする。
ELEMINIST Editor
エレミニスト編集部
日本をはじめ、世界中から厳選された最新のサステナブルな情報をエレミニスト独自の目線からお届けします。エシカル&ミニマルな暮らしと消費、サステナブルな生き方をガイドします。
「すだちの香り」で肌と心が喜ぶ 和柑橘の魅力と風土への慈しみあふれるオイル
先日、サステナブルメディア「ELEMINIST(エレミニスト)」主催の初のインフルエンサーイベント「ELEMINIST MEET」が開催された。
今回のテーマは“FOOD”。招待制で行われたこのイベントには、エシカルへの興味関心の高いインフルエンサーとELEMINISTの読者らELEMINIST followers※約100名が来場した。エシカル・インフルエンサーの累計フォロワー数は約30万人にも上った。
来場者は、出展ブランドから商品の提供を受けるほか、出展ブランドの担当者やワークショップ、トークセッションを通じてより商品への理解を深めることができる。また出展ブランド側は、エシカル感度の高い生活者やインフルエンサーに対して直接商品の魅力を伝えられるので、コミュニケーションの中でリアルな生活者の声を聞くことができる。まさに双方が出会う“MEET”できる場だ。
今回は、プラントベース、アップサイクル、フェアトレードなどエシカルな食品を扱う6社[ZENB(株式会社 ZENB JAPAN)、RESIZESTYLE・asutowa(株式会社リサイズカンパニー)、Upcycle by Oisix(オイシックス・ラ・大地株式会社)、Violife(株式会社J-オイルミルズ)、OATSIDE(OATSIDE株式会社)、JAZZ™りんご(T&Gグローバル社)]が集まった。
※ELEMINSTの読者からなる公認コミュニティ
環境問題や食に関心の深いELEMINIST followersたちは、フードブランドにまつわる生産ストーリーに熱心に耳を傾けていた。そして圧倒的に多かったのは、「やっぱり食べ物は一度試してから購入したいというのが本音」「実際に試食できる機会は本当にうれしい」という意見。ELEMINIST followersが関心を持ったのはどんな出展ブランドだったのか紹介しよう。
スーパーフード黄えんどう豆100%を使った麺や可能な限りまるごと野菜を使用した食品を主としたブランドにこの夏、新しい仲間「ゼンブラーメン」が登場した。うす皮までまるごと使用した黄えんどう豆100%のラーメン特製麺は、つるっとしたのど越しの良さが特徴だ。スープは旨塩・醤油の2種類。いずれも野菜や昆布、きのこなど素材の旨みを生かし、添加物や動物性原料に頼らず味づくりをしている。ブースでは新商品の試食のほか、スナックやスープ、パスタソースなどさまざまな商品が紹介された。
フードデザイナーの中本千尋氏を迎えた料理デモンストレーションイベントも開催され、「ゼンブヌードル細麺」を使用した「トマトと大葉の麹カッペリーニ」が紹介された。
ZENB:「ZEMBの麺は、ゆで汁からおいしい豆の出汁が出るので、スープのベースに活用することもできるんです。“おいしくサステナブル”を実現できます。『ゼンブラーメン』は麺のゆで汁をそのまま使うのがおいしさのヒミツなんです。今回試食してくださった方々からも好評でした」
ELEMINIST followers:「『ゼンブラーメン』は気になる糖質、脂質、塩分をオフしながらたんぱく質や食物繊維を摂れるから、ダイエット中の栄養補給に罪悪感なく食べられますね」「ゆで汁までおいしくいただけるというのに驚きました!」
人は本来それぞれに美しさを持っているのに、さまざまな環境やストレスからくる疲労により、あるべき状態を保てなくなってしまっている。「RESIZESTYLE」は、抱え込んでいるものを見直して生き方をリサイズしてほしいという想いからつくられたブランドだ。100%自然素材でできた「ルーティン青汁」は、農薬不使用の国産大麦若葉や酒粕、米麹、発酵紅茶エキスなどがブレンドされたもの。
また「asutowa(アストワ)」は、“明日”と“永遠”、そして“Earth(地球)”と“輪”の造語で、かかわりのあるすべてのものにいい影響を与えられるようにと願いを込めたプロジェクトだ。レインフォレスト・アライアンス認証を受けた農園で栽培された豆を使ったコーヒーは、手軽に味わえるよう希釈タイプとティーバッグタイプに仕上げている。
優木まおみ氏によるトークイベントが開催され、商品開発に至るまでの想いが語られた。「今後も誰かの笑顔につながるものづくりをしたい」という言葉には、揺るぎない力強さが感じられた。
RESIZESTYLE・asutowa:「一杯一杯に意味を持たせたいと思い、青汁は“ボディヘルス”、コーヒは“アースヘルス”を考えてつくりました。今回は、環境や体に対する意識の高い方が集まってくださったので、どういう想いでつくっているのかを前のめりで聞いてくださって嬉しかったですね」
ELEMINIST followers:「青汁ってもっと苦いものだと思っていたのですが、これはスッキリしていて飲みやすかったです!」「とてもこだわってつくっていらっしゃることに感銘を受けました」
「Upcycle by Oisix(アップサイクル バイ オイシックス)」は、有機野菜や特別栽培野菜、合成保存料・合成着色料を使わない加工食品などの生鮮食品を取り扱うEC食品宅配サービス・Oisixから生まれたフードロス解決型の食ブランド。アップサイクルとは、これまで捨てられていたものに付加価値をつけ、新しい商品にアップグレードさせること。見栄えや食感の悪さなどから食品として未活用だった食材をアップサイクルし、おいしく驚きのある新たな食材を生み出している。
今回紹介されたのは、加工工場の現場から出るブロッコリーの芯やりんごの芯を使った新感覚チップス、 海の環境変化で規格外品となった穴あきわかめを使ったサクサクの玄米スナック、 飲食チェーン「PRONTO(プロント)」のコーヒー豆かすを生地にねりこんだ洋風あられ、「チョーヤ梅酒」で梅酒を漬けたあとの南高梅を活用したしっとりドライフルーツなど、さまざまなラインアップだった。
Upcycle by Oisix:「今回多くの方に、アップサイクルブランドを知っていただけて良かったです。ブロッコリーの芯をココナッツオイルで揚げたチップスは、ヴィーガンの方にも好評でした」
ELEMINIST followers:「おいしいのはもちろん、食べながらフードロス問題を解決できるのがいいですよね!」「海外に住んでいて、一時帰国中です。あられや梅のドライフルーツはすごくユニークですね!こういうのは海外に売っていないから、持っていきたい」
ギリシャ発の「Violife(ビオライフ)」は、乳やナッツを使用せずココナッツオイルを原料とし、豊かな風味とコクが引き出すおいしさが特長のプラントベースチーズだ。国が定めたアレルギー物質(特定原材料等)28品目不使用で、“みんなが楽しめるおいしさ”にこだわっている。またヴィーガン・ベジタリアンの人だけでなく食物アレルギーを持つ人や健康志向の人からも、高い評価を得ている。
ちなみにブランド名は、ギリシャ語で「生命」を意味する「Vios」(ビオス)に由来している。1990年代より20年にわたり3,000以上のレシピ、200以上の製法を研究・テストし、2013年に「Violife」が開発された。
Violife:「乳製品のチーズと変わりなくお料理やお菓子づくりにお使いいただけるので、とても便利ですよ。なかでもオリーブオイルと煮る『チーズアヒージョ』がおすすめです」
ELEMINIST followers:「植物性のチーズって、割とチーズ感が薄いものが多いと思うのですが、Violifeは違いました」「『植物生まれのクリーミィ』は本当にクリーミィでおいしかったです」
「OATSIDE(オーツサイド)」は厳選されたオーストラリア産のオーツ麦を使用した、濃厚で香ばしい味わいに定評があるシンガポール発のオーツミルクブランドだ。レインフォレスト・アライアンス認証のカカオを使用することで持続可能な農業を支援したり、水を引いているインドネシアの山から工場までの間に通過する家庭に新鮮な水を提供したりと地域貢献もおこなっている。
そのままでももちろんおいしいが、コーヒーとの相性が非常に良く、抹茶やほうじ茶とのブレンドや、スムージーやシリアルなどの朝食にもぴったり。デザートやスープ、シチューなどの料理にも活用できるので、手軽に取り入れることができる。
OATSIDE:「オーツミルクは素材や製造工程によって味わいが変わります。オーストラリア産のオーツ麦を焙煎しているOATSIDEはナッツのような香ばしさが特徴です。ぜひお料理にも活用してほしいですね」
ELEMINIST followers:「オーツミルクってなんとなく口のなかに何かが残るイメージがあって、あまり得意ではなかったのですが、これはすごく飲みやすかったです!」「コーヒーと合いそうですよね。パッケージもかわいい!」
ニュージーランドの美しい果樹園で育った「JAZZ™りんご」は、品質管理が徹底されており、基準を満たしている特別なライセンスを持っている生産者のみ栽培が可能な特別なりんごだ。日本とニュージーランドの季節は逆のため、夏でも旬のりんごが食べられることで毎年人気が高まっている。
「JAZZ™りんご」はワックスを使用していない為、皮ごと食べることができる。それにより、りんごの皮と実の間に多く含まれていると言われている「食物繊維」や「ポリフェノール」、「ビタミンE」 等のさまざまな栄養素を余さず摂取することが可能だ。甘みと酸味の絶妙なバランスで「サクッ」とした食感があり、そのまま食べても、サラダなどの料理にも多彩に楽しむことができる。ちなみに名前の由来は、“スイングしたくなるほどおいしい”から。
JAZZ™りんご:「甘さと酸味があるので、お料理との相性が抜群なんです。グリルしたチーズとサンドイッチにすると、最高においしいですよ。また冷やしておけば夏のスナックに最適です」
ELEMINIST followers:「日本のりんごと違ってサッパリしているので、今の季節にちょうどいいですね」「皮ごと食べられるのがいいですよね。サラダに入れてみようと思います!」
会場の装飾にも環境に配慮した素材を提供いただき、使用。メディアで最新素材として紹介したものもあり、気がついたELEMINIST followersが熱心に触れたり、写真を撮ったりする一コマもあった。
「エコペット®」は廃棄物を資源として循環させる研究を重ねて開発したリサイクルポリエステル。今回のテーブルクロスの生地は「エコペット®」を50%使用している。イベントで使用されたテーブルクロスは、すべて帝人フロンティアから提供いただいた。
出店ブランドのサインボードには、有功社シトー貿易が提供する牛乳パックなどの飲料容器をリサイクルしてつくられた段ボール「ミルダン®️」を使用。使い終わった後は再びリサイクルされ、世の中を循環する環境にやさしい素材として活用される。
受付横には、廃棄されてしまう竹割箸を再利用したテーブルが置かれた。来場した代表の村上勇一氏によると、1つのテーブルをつくるのに最低3日かかるという。スタッフもELEMINIST followersたちも、断面の美しさに見とれていた。
花の装飾はイベントなどで使われた花を再利用したドライフラワー
ELEMINISTの読者コミュニティ、ELEMINIST followersの感想は後編につづく。
執筆/河辺さや香 編集/後藤未央(ELEMINIST編集部)
ELEMINIST Recommends