ベルリンのヴィーガンレストラン「FREA」はハイクオリティーな料理とゼロウェイストを両立させる

ベルリンのヴィーガンレストラン「フレア(FREA)」は、100%ヴィーガンでオーガニック、堆肥製造機による生ごみの削減、プラスチックフリーといったサステナビリティーを極めた活動でメディアからも大注目されている。

宮沢香奈(Kana Miyazawa)

フリーランスライター/コラムニスト/PR

長野県生まれ。文化服装学院卒業。 セレクトショップのプレス、ブランドディレクターを経たのち、フリーランスでPR事業をスタートし、ファッションと音楽の二本を柱に独自のスタイルで実績を積…

2020.10.30

ドイツ初となるパイオニア的存在のレストラン

感度の高い人たちが集まる、ベルリンのミッテ地区には、スタイリッシュで最先端を行く店舗が多数点在している。ヴィーガンレストラン「FREA(フレア)」もそのひとつで、いまもっともホットなスポットといえるだろう。

2019年3月にオープンしたここは、わずか1年半で数え切れないほどのメディアに取り上げられている有名店だ。その理由は「ドイツ初のゼロ・ウェイスト・レストラン」という希少な看板を背負っているからだけではない。さまざまな点において究極のこだわりを持っているのだ。

まず、日曜・祝日を定休日にしている店舗の多いミッテ地区において、FREAは週7日営業している。しかし、近隣の店舗のようにランチ営業は実施せずに夕方5時30分からのディナー営業のみ。

10人のシェフが交代で勤務しており、どのシェフがキッチンに立ってもいつでも変わらないクオリティーの料理を提供している。

料理

自家製のパンも当然ながらすべてオーガニックでヴィーガンの材料のみでつくられている

「ドイツ初のゼロ・ウェイストレストランであることでもちろん注目されていますが、まず、お客様が来店された時に『心地いい空間だ』と感じてもらうために内装にもこだわっています。

それ以上に出された料理の見た目と味に満足してもらうことに、もっともフォーカスしています。リピーターが多い一番の理由は料理のクオリティーを常に保っているからだと思っています。」

「料理のクオリティーが高いこと」これは、オーナーのデイヴィッド・ヨハネス・スヒーさんが最重要視していることだと語る。

FREAで使用している食材はすべてオーガニック。ヴィーガン料理のメイン食材となる野菜は当然のことながら、オイルやスパイス、ビールやワイン、店内に飾る花に至るまで厳選されたサプライヤー10から15社と提携している。

また、パンやパスタ、ヘーゼルナッツミルクなどをホームメイドしているというこだわりもある。選び抜いた最高品質の材料と安心安全なホームメイドの食材を使って一流シェフが調理すれば間違いなくクオリティーの高い料理になるだろう。

このようにハイクオリティーな料理を提供することは他のレストランでも可能である。

堆肥製造機

堆肥製造機は、香港に本社を置く「Oklin」製。デイヴィッドさんがレストラン事業を始めようと思った時に視察に行ったブライトンにあるイギリス初のゼロ・ウェイストレストランで使用していたものと同じ

しかし、FREAに関して特筆したいのは、可能なものをすべてホームメイドすることが、他社から製品を購入した後に発生する輸送費や、保存に使うプラスチック容器の削減につながる点。

さらに、食材は可能な限り丸ごと使いつつ種や皮などからは発酵食品をつくり、最終的に出た生ごみは店内の片隅に設置された堆肥製造機に入れて、堆肥化している点である。

さらに、完成した堆肥はサプライヤーである農家へ提供しており、新しい野菜が育つために役立っている。

堆肥製造機

24時間でできあがるという堆肥は、臭いもなく、サラサラとした土のような感触でとても生ごみからつくられているとは思えない

FREAによるサステナブルなこだわりは、食品だけに留まらない。店内のインテリアは一切のプラスチック、レザーなどの動物性のものは使用しておらず、すべてリサイクルやリユースされた家具やディスプレイで統一されている。

とくに目を引くのが、カウンターの上に吊るされたランプシェードである。これは、キノコの菌糸体と廃木材を組み合わせてつくられており、ロンドン拠点のセバスチャン・コックスとニネーラ・イヴァノヴァが手がけている。

店内

見ただけではキノコの菌糸体でつくられているとはわからない不思議な質感とデザインのランプシェードは、店内を温かく照らしている

FREAをオープンさせたことはゴールではなく始まり

老若男女問わず菜食主義者の多いベルリンでは、専用のレストランも増え続けている。一般的なレストランにおいてもヴィーガンやベジタリアン対応のメニューを置いていない店舗の方が少ないと言える。

しかし、FREAのような徹底したこだわりとコンセプトを持った店舗はまだ少ないように思える。そういったなかで、成功の秘訣をデイヴィッドさんに聞いた。

「いろんな人からどうやってレストラン事業を始めたの? どうやって軌道に乗せたの? と聞かれるけれど、簡単には答えられないですよね。そこにはさまざまな背景があり、プロセスがありますから。

ただ、一つ言えることはFREAをオープンさせたことがゴールではなく、これが始まりということです。まだまだこれからやりたいことが山ほどあるので、有名になったからと言ってそれで終わりではないし、満足してはいけないと思っています。

僕とビジネスパートーナーでもある妻もヴィーガンですが、バターや肉を使わなくても最高においしい料理を出せる自信があるのと、それらは必要ないと思っています。ベルリンには、たしかにヴィーガンレストランが多いし、菜食主義者向けのメニューもどこでも食べれます。

しかし、例えばアジアンレストランではヴィーガンといえば豆腐メニューばかりがクローズアップされていることに疑問を感じます。だから、当店では野菜を中心とした本当においしいヴィーガン料理を提供することによって、1人でも多くの人に証明したいと思っています」

店内

FREAは来年2号店をオープンさせる予定とのこと。しかも、1号店の近隣で、より広く、コースのみを提供する高級店にしたいという。

世界的なトレンド傾向にあるサステナブルを学びたいという人が増えているいま、知識を勉強することよりもFREAのようなレストランに足を運び、実際に食べてもらうことで知ってもらうことの方が大切だとデイヴィッドさんは考えている。

弱冠33歳で独学で学んだゼロ・ウェイストやサステナブルの知識をここベルリンから発信し続けている。

FREA
https://www.frea.de/

※掲載している情報は、2020年10月30日時点のものです。

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