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【延長決定】汚染処理水の海洋放出に反対 FoEジャパンが署名活動を実施

認定NPO法人「FoEジャパン」は、東京電力 福島第一原子力発電所の汚染処理水について、署名活動を実施している。各報道機関で汚染処理水の海洋放出に向けた動きが取り上げられたことを受け、海洋放出へ反対。代替案の十分な検討と適切な議論の場の設置を求めている。

2020.10.19

汚染処理水に関する要請を発表 賛同の署名は26日朝まで

二次処理水が貯められるサンプルタンク(東京電力ホームページより)

二次処理水が貯められるサンプルタンク(東京電力ホームページより)

認定NPO法人「FoEジャパン」が、東京電力 福島第一原子力発電所の汚染処理水に関する要請を発表。賛同の署名を求めている。各報道機関で「汚染処理水を海に流して処理する方針が固められた」と報じたことを受けたものだ。

※2020年10月20日追記:署名の受付延長が決定し、26日朝7時までの受付となった。20日までの署名はすでに経済産業省に提出された。

FoEジャパンは、声明文でまず「大型タンクによる長期安定保管」や「モルタル固化処分」といった提案が十分に検討されていないことを指摘。

汚染処理水の放射性物質が、総量として基準値を上回っていることや、二次処理を行うにしてもその総量が不透明なことも懸念している。

声明文によれば、福島県内の団体が呼びかけて経産省に提出された海洋放出に対する反対署名は42万人を超えており、2018年の説明公聴会の際には、意見表明した44人中42人が、海洋放出に反対していた。

またFoEジャパンは、海洋放出の反対に加え、声明文の中で適切な議論の場を設置することも求めている。

経済産業省が今年に入ってから開催している「御意見を伺う場」には、経済産業省が「関係団体」とした産業団体・自治体*1などが呼ばれており、一般市民の声が届いていない点を指摘している。

さらには意見表明を行った46名中45名が男性なことから、ジェンダー・世代的な偏りが大きい*2と指摘。これらを改善した適切な開かれた議論の開催と、議論や意見を反映した意思決定を求めた。

担当者は「すべての人が自分のこととして考える必要がある」と重要性を強調

今回の要請の発表を受け、ELEMINISTではFoEジャパンにメール取材を行った。そもそも「問題は、どのような影響が生じるかわからないということ」だという。

二次処理を施して海へと放出する予定の汚染処理水について「現在、タンクの水のなかには除去しきれなかったトリチウム(総量約860兆ベクレル)以外にも、多くの放射性物質が残留しており、その総量は不明なままです。すくなくとも議論の前提として公開すべきではないでしょうか」と情報の不透明性を指摘した。

トリチウムについても「健康へのリスクを指摘する専門家もおり、現在、未解明な部分もあり、どの程度影響があるかというのは議論がわかれるところです」と、強い懸念を明らかにしている。

またFoEジャパンは「この問題は福島だけの問題ではなく、すべての人が自分のこととして考える必要があるのではないかと思います」と、その重要性を強調。署名サイトchange.orgでも英語で呼びかけを行っている。

そうした意味でも、今後も「この問題に関して、幅広い議論が行われるよう、情報
発信を継続していきたいと考えています」と、継続的な姿勢を明らかにした。

なお、FoEジャパンのホームページでは、今後提出の報告などの最新情報が追記されていく予定だ。

各紙が報道 汚染処理水の海洋放出決定へ向け政府が最終調整に

FoEジャパンが発表した「原発処理汚染水に関する要請」は、前述の通り各紙による報道が背景となっている。毎日新聞による政府関係者への取材では「放射性物質の濃度を下げた後に海に流して処分する方針を固めた」という。

10月中に廃炉・汚染水対策の関係閣僚会議を開いて決定する予定で、風評被害の対策に関しては「今後も継続して議論し詰めていく」予定だ。

具体的な海洋放出の時期については、同紙によれば「放出には新たな設備が必要で、原子力規制委員会の審査や整備に2年程度かかる見通し」で「海洋放出は、こうした手続きなどを経た後になる」とのことだ。

こうした動きを受け、福島県漁業協同組合連合会は「若い後継者に将来を約束するためにも反対」と訴えた。

また東京新聞の報道では、全国漁業協同組合連合会の岸宏会長が「風評被害は必至。漁業の将来展望を壊しかねない。慎重に判断してほしい」と提言したほか、福島県漁連の野崎哲会長も環境省で「生業を続けていく意味で反対」と訴えた。

*1,2:経済産業省の配布資料によれば、商工会議所や全国漁業協同組合連合会などの各組合、または県知事や各市長レベルに留まっている。性別・年齢については確認できなかった。
https://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/decommissioning/committee/takakushu_iken/

※2020年10月20日追記:署名の受付延長が決定し、26日朝7時までの受付となった。20日までの署名はすでに経済産業省に提出された。

問い合わせ先/FoEジャパン
https://www.foejapan.org/
※掲載している情報は、2020年10月19日時点のものです。