【後編】有機栽培の第一人者・橋本力男氏が伝授 失敗しない自作コンポストのコツ

インスタライブ番組「JUICY TALK ONLINE」の5月31日配信回のゲストに、堆肥化リサイクルや土壌の研究に携わってきた橋本力男氏らが登場した。橋本氏は、家庭でコンポストを続けるコツやおいしい野菜づくりの秘訣などを披露。日本の有機農業を救うためには、味のわかる消費者が増えることが大事だと語った。

ELEMINIST Editor

エレミニスト編集部

日本をはじめ、世界中から厳選された最新のサステナブルな情報をエレミニスト独自の目線からお届けします。エシカル&ミニマルな暮らしと消費、サステナブルな生き方をガイドします。

2020.07.10

ダンボールコンポストは一次処理の手段

コウ:僕もすごく興味があるんですけど、これも聞きたい。ダンボールコンポストもやっている人が多いんですよ。ダンボールとかも水を吸っちゃって、水分調整が難しいと思うんですけど、「蓋をするとすぐにカビが生えます。これってやっぱり腐っていますか?」という質問です。

橋本:ダンボールコンポストは、なかにピートモスと籾殻のくん炭を入れて混ぜて、最初に養分の皮をちょっと足して発酵させるんですよ。発酵させた後に、月火水木金土みたいな感じで、生ごみを投入していくんですけども。

だいたい一ヶ月か一ヶ月半くらいすると、ダンボールにだんだん水分が増えてきて、ダンボールが壊れてしまって、一次処理が終わりなんですよ。それを畑にまいてくださいということなんです。

病原菌は死んでいないし、雑草も死んでいないので、一次処理なんですよ。それは一次処理としての方法だから、ケースもいらないし、安いダンボール箱でできるからいいなと思うんですけども。

あくまで一次処理ですよね。(コウさんの場合は)いろんな方法で一次処理したものを、会社に運んで二次処理して、野菜をつくってまた元に戻すという仕組みが現実的かなと思う。

コウ:じゃあ一次処理が終わった状態のものって、直接何かに使えるかというと、やっぱりまだまだ病原菌も生きていて使いにくいということなんですね。

橋本:そう。色はブラウンになっているんだけど、堆肥ではほんとうの完熟ではなくて、未熟な状態だと思うので、堆肥舎で60、70℃まで温度を上げて、微生物で分解して病原菌を全部殺して、衛生的な堆肥をつくることが、この仕組みをつくるうえで一番大切なんですよ。

日本にリサイクルを根づかせる仕組み

橋本:(コウさんは以前)鳥羽リサイクルパークに行かれたでしょ? あそこは500軒ぐらいの人たちが、10年以上続けていて。19年くらい続けているところもあるんですけど。

床材方式でやれば、確実にいい生ごみ堆肥ができるんですよ。生ごみ堆肥がほしい人に継続してあげているんです。たぶん環境のために生ごみ堆肥をやりたい人は誰もいないと思います。だけどあの仕組みでいい堆肥をもらえるからやっている。

環境のためにというのは、きれいに頭のなかに描けると思うんですけど、実際生ごみって、腐りやすいものをうまいこと携わって仕組みをつくっていかないと、リサイクルは続かないと思います。

だから家でやったりとか、ダンボールコンポストとか、だんだん土がダメになってしまうから、害虫が増えてくると思うんですよ。

全国生ごみリサイクルネットワークというのがあるんですよ。20年くらい活動してるんですけど、そこの理事長さんと僕も一緒にやっていて。

最終的に、生ごみを表で乾かして、袋に入れてね、乾かしたものをゴミとして出しましょうと(いうことに行き着いた)。水分を60%以下にすると、生ごみは「自燃」といって自分で燃えるんですよ。そういうリサイクル方法もあると思うんですけど。

リサイクルに関心を持って、いろいろ調べて僕のところにやってきたんですけども、基本は非常にクリアな世界なんですよ。腐敗するか発酵するかのどっちかなんですよ。

おいしい料理を食べるか、腐った料理を食べるかの違いだけ。それをきっちり理解してやらないと、失敗して嫌になってやめると。悪臭とハエ問題で終わってしまうんですよ。

だからそのようにして日本の食品リサイクル法ができて、いろんな会社が取り組んだけれども、悪臭とハエに周囲の人たちが反対してやめてしもうたんですよ。だから僕らみたいに、堆肥の技術者がある程度いないと、継続できないような感じですね。

野村:そしたら私たちも、いいもの食べて発酵して土に還るわけだから。燃やされて、いい土になるべきなんですよね。

橋本:そう、人間はほとんど燃やされて、火葬になってしまうんだけど。

コウ:じゃあそろそろ時間が来そうです。

橋本:ある程度、目標達成しました?

野村:まだいっぱい細かな質問はきているんですけど、この質問を集計して、第二弾でまた答えられたり、一緒にできたりできたらいいなと思います。先生もぜひここに来ていただいて。

橋本:どういう関係の人がこの質問してるんですか?

野村:土に興味がある方と、先生に興味がある方です。

橋本:ああ、そうですか。わかりました。

コウ:橋本さん、今度はぜひ落ち着いたら実際に来ていただいて、ちゃんと一緒の空間でやりたいですね。

橋本:対面して話ができたらね。

コウ:ぜひお願いしたいです。

野村:ありがとうございました!

橋本:はーい。友里さん、お元気ですか?

一同:(笑)

橋本:最後やけど。

コウ:僕にも聞いてよ!

橋本:コウさんは元気やけどさ。

コウ:先生も元気ですか?

橋本:なんとかやってます。そいじゃあ。

コウ:ありがとうございました!

橋本:はーい。

(橋本氏との画面通話終了)

出演者プロフィール

橋本力男氏のプロフィール画像

橋本力男/堆肥・育土研究所所長、日本オーガニックフラワー協会理事長

1952年、三重県生まれ。1977年東京農業大学国際農業開発学科卒業後、有機農業をはじめる。2000年環境保全型農業推進会長賞2007年ボリビア堆肥指導2008年農林水産省「農業技術の匠」授与2007年からオーガニックフラワーに取り組む。その後、生ごみリサイクルでフィリピン、パレスチナ、ネパール、パラオ共和国などを支援。日本農業経営大学校講師。

野村友里氏のプロフィール画像

野村友里/eatrip主宰、料理人

長年おもてなし教室を開いていた母の影響で料理の道へ。ケータリングフードの演出や料理教室、雑誌での連載やラジオ出演にとどまらず、イベント企画・プロデュース・キュレーションなど、食の可能性を多岐にわたって表現している。2012年にrestaurant eatrip(原宿)を、2019年11月にeatrip soil(表参道)をオープン。生産者、野菜、旬を尊重し、料理を通じて食のもつ力、豊かさ、おいしさを伝えられたらと活動を続ける。著書に『eatrip gift』『春夏秋冬おいしい手帖』(ともにマガジンハウス刊)『Tokyo eatrip』(講談社)『TASTY OF LIFE』(青幻舎)などがある。

コウノリ氏のプロフィール画像

コウノリ/Sunshine Juice代表

アメリカ、日本、台湾でのビーガン生活を経て、自身の体験でリアルジュースの力を感じ、日本初のコールドプレスジュース専門店「サンシャインジュース」をスタート。使う素材にこだわり、全国各地の生産者を訪問し太陽と土のエネルギーが詰まった素材を搾り、生きた栄養をみなさまへジュースでお届けしている。趣味は持久スポーツで、フルマラソンは毎年サブスリーを達成しながら、STAY JUICYな生活を啓蒙。

eatrip soilホームページ
https://eatripsoil.com/

eatrip restaurant ホームページ
https://restaurant-eatrip.com/

eatrip soil Instagramアカウント
https://www.instagram.com/eatripsoil/

cosmic_compost Instagramアカウント
https://www.instagram.com/cosmic_compost/

Sunshine Juice ホームページ
https://sunshinejuice.jp/

※掲載している情報は、2020年7月10日時点のものです。

Read More

Latest Articles

ELEMINIST Recommends