フェムテックで人も地球も持続可能な未来を切り開く 『明日 わたしは 柿の木にのぼる』インタビュー

『明日 わたしは 柿の木にのぼる』の商品

女性が抱える健康の問題を解決するサービスやモノを指す「フェムテック」は、女性のエンパワーメントだけでなく、持続可能な未来へもつながってくる。フェミニンケアブランド『明日 わたしは 柿の木にのぼる』創設者の小林味愛氏に、ウェルネスとエシカルを重視する理由を聞いた。

Mai Shiratori

トレンドリサーチャー

埼玉県出身。2014年から2019年までアメリカのニューヨークに居住し、トレンドリサーチャーとして衣食住のトレンドをリサーチする。さらに、ニューヨークでヨガ学んだことをきっかけに、ウェル…

2021.10.02
FASHION
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フェムテックは、生き方や働き方が多様化するいま、女性が社会で活躍していくためのウェルネス面をサポートしてくれる。

かつて欧米がリードしていた分野であるフェムテックは、日本でも近年多くのブランドが誕生した。生理時の吸水ショーツやデリケートゾーンケア、膣トレのアイテムなど種類も豊富である。

フェミニンケアブランド『明日 わたしは 柿の木にのぼる』は、「いわゆるバリキャリだった」と語る創設者の小林味愛氏が、キャリアを構築していく中で経験したカラダのSOS、ライフステージが変化していく中で抱える不安や迷いなどの実体験から誕生したブランドだ。

フェミニンケアブランドとして、個人で抱えていた女性特有の悩みを理解し、社会としてサポートしていくことの必要性を問い、エシカルなモノづくりを通して社会への還元を考えているのだ。

ウェルネスとエシカルという二つは切り離されて伝えられることもあるが、この二つが一緒になることで、持続可能な未来に向けて大きな力になるだろう。

「どんな自分も卑下せずに、自分を大事にしてほしい」 経験したからこそ伝えたい想い

小林味愛氏

小林味愛氏

-ブランド名からも何か強い想いを感じるのですが『明日 わたしは 柿の木にのぼる』の由来を教えてください。

一言で言える名前や英語など覚えやすいネーミングがよいのでは、という意見もたくさんいただきました。ですが、『明日 わたしは 柿の木にのぼる』というブランド名には、日本社会に対してメッセージを発していきたいという思いがあります。

私が社会人になり始めた頃は”女性活躍”という言葉が注目された時代です。ですが、その”女性活躍”という本来の言葉の意味とは違い、男性がつくった社会で評価をされるために男性になりきり、男性の評価基準に合わせて働いている自分がいました。

また結婚し出産をした後、育児などの女性にかかる負荷への理解が足りず、世の中では子どもを産めと言われるのに、職場では産休や育休が取りにくいという状況に直面している女性の姿も見てきました。社会の中で私たち女性がどうやって生きていけばいいのか、わからなくなってしまったのです。

そこで女性が活躍するためにも、社会に女性の生き方を問い直したいと思いました。世間がつくった理想像ではなく、自分自身のペースで顔を上げ人生を選んでいく。『明日 わたしは 柿の木にのぼる』というブランド名には、そんな女性の意思を表現しています。

明日 わたしは柿の木にのぼるのロゴ

『明日』には「明日でも大丈夫だよ」という問いかけ、そして半角スペースには息継ぎをするという意味を込め、頑張りすぎている人へ心のゆとりを持ってもらいたいというメッセージを伝えている

デリケートゾーンケアがココロとカラダの健康につながる

-改めてデリケートゾーンケアの重要性を教えてください。そしてなぜ専用のアイテムでのケアが必要なのでしょうか?

女性が社会で活躍し、子どもを産む回数が減ってきているなど、ライフスタイルが変化してきている一方で、ライフサイクル(カラダのつくり)は変わりません。

このライフスタイルの変化によって、昔は生涯経験する生理の回数が50-100回だったのが、現在では450−500回になっています。生理の回数が多いことにより、子宮内膜症や卵巣がんといった現代女性に増えている病気の要因になること、PMSなどの不調など、多くの負担が女性にのしかかっています。

そこで自分のココロとカラダを健康に過ごしていくために、デリケートゾーンケアが大切になってきます。デリケートゾーンには何百種類もの菌が住んでおり、それらの菌がバランスをとって生きていることで、女性のカラダを守っています。

ですがストレスなどのライフスタイルによる要因と、おりものシートによるムレ、デリケートゾーンの洗いすぎなどの外部環境的な要因によって、菌のバランスが崩れてしまいます。すると悪い菌が暴走し、かゆみや匂いなどの不調につながります。

普通のアルカリ性の強いボディーソープなどでゴシゴシ洗ってしまうと、洗いすぎで自ら菌のバランスを崩してしまう可能性があるので、デリケートゾーンのPH値を踏まえた、デリケートゾーンケア用品かお湯でやさしく洗う必要があります。

毎日、洗う・保湿するというケアをしていくことで、自身の不調に気が付きやすくなります。不調に気がつくことで、改善策も見つけることができ、ライフスタイルも自分が生きやすいように変化させることができる。そういうことが、デリケートゾーンケアの本質にあると思います。

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持続可能な社会に欠かせない農家の存在
※掲載している情報は、2021年10月2日時点のものです。

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