カプセルにプラスチックを使わない、世界初のビタミンC美容液「Common Heir」誕生

「Common Heir」のパッケージ写真

スキンケアに使われるビタミンCは、空気にさらされると酸化し効果が薄れてしまう。空気に触れる時間を短くするため、一回限りのプラスチックカプセルに入った商品が多いのが現状だ。Common Heirはカプセルに生分解可能な素材を使い、品質の維持とプラスチックの不使用に同時に取り組む。

染谷優衣

フリーランスライター

YouTubeのThrift Filp動画をきっかけにサステナブルに興味を持つ。最近は洋服のリメイクを勉強中。リサイクルショップで掘り出し物の古着を見つけるのが好き。

2021.05.31
SOCIETY
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エシカルマーケティングとは? メリットや実例をわかりやすく紹介

地球も美容成分も大事にする 正分解可能なパッケージング

「Common Heir」の商品画像

近年は大小さまざまな美容ブランドが、持続可能な原料や最小限の包装、カーボンオフセット輸送など、より環境にやさしい製品づくりを心がけている。

「Common Heir」の共同創設者であるAngela UbiasさんとCary Linさんは、ともに美容業界で働いてきたバックグラウンドを持つ。二人は「美容界にプラスチックを含まない選択肢をつくりたい」という共通の夢を持っていた。そして生まれたのが、世界初のサステナブルなビタミンC美容液「Common Heir」だ。

スキンケアの定番であるビタミンCは、抗酸化作用と肌を明るくする効果で多くの人に愛されている。その反面、空気にさらされると早く酸化し、効果が薄れてしまう問題がある。

これを解決するため、一部のブランドはビタミンC血清を1回限りのカプセルに入れることで、空気に触れる時間をなるべく短くしている。しかしその多くがプラスチックでできているのだ。

「Common Heir」のカプセルは、藻類と植物ベースのでんぷんでつくられているため、生分解が可能だ。リンゴの芯とほぼ同じ速度で分解される。使用後は、沸騰したお湯に入れたり、堆肥にするなどして処分できる。

そのほかにも、ビタミンC血清成分は持続可能な方法で調達されており、カプセルはリサイクル可能な段ボール製のチューブにパッケージされている。

さらに、年間売上高の1%を「1% for the Planet」へ、1件の電子メールサインアップごとに1ドルを「Ocean BlueProject」へ寄付している。

パッケージの最適解をつねに探し求める大切さ

正分解可能な素材を使ったパッケージング

なるべくごみを少なくするためには、1回限りの利用のものを減らすのがよいとされている。例えばレジ袋、ペットボトル、コーヒーカップなどの製品が当てはまるだろう。

とはいえ、ビタミンCのように繰り返し使える容器に入れることで成分の効果に大きな影響を与える場合もある。そのときは、なるべく地球に負担が少ない正分解可能な素材でつくられるものを使ったり、リサイクルを積極的に行う企業から買ったり、少し意識するだけでいまの状況を変えることができる。

自分たちと地球が共存する未来のためには、このバランス感覚を磨いて、よりよい選択をしていくのが大事なのかもしれない。

参照サイト/Common Heir
https://commonheir.com/

※掲載している情報は、2021年5月31日時点のものです。

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