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イギリスにある4つのヒルトンホテルは、食品廃棄物を出さない「ゼロウェイストメニュー」の提供を開始した。これまで廃棄されてきた野菜の根や皮、ブッフェで余ったものなどを、美しい料理に仕立てている。
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ロンドン、マンチェスターなど、イギリスの主要ヒルトンホテル4軒で、廃棄物を出さないメニュー「テイスト・オブ・ゼロウェイスト」が誕生した。これは、4月24日の「食品廃棄をなくす日」を記念して発表されたもので、同ホテルのパイロット計画の一環だ。
使用するのは、従来は廃棄してきたもの。野菜の根、茎、皮は発酵させてソースに、熟したり傷んだりした果物はカクテルに、ブッフェで余ったペストリーやコーヒー豆はプリンなどのデザートに。
ヒルトンが「Root-to-shoot(根から芽まで)」や「nose-to-tail(鼻から尾まで)」と表現するように、食材のすみからすみまで丸ごと使用し、一流ホテルのシェフによる技術で、廃棄されるものを使ったとは思えない美しい料理に仕上げられている。
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ヒルトンでは、食品廃棄物を削減するため、AI対応のシステムを導入するなどして、2008年の廃棄量に対して50%まで削減することに成功したという。これは、各ホテルの小さな取り組みが積み重なることで、食材の無駄を減らすことが可能であることを証明している。
また、ヒルトン・ロンドン・メトロポールでは2020年、パンデミックによって営業停止となったことから、大量の食材が余ってしまった。そこで、慈善団体のフェリックス・プロジェクトとパートナーシップを結び、それらの食材を使って、ホテルのキッチンをコミュニティキッチンへ変換。ロンドン中で食事に困っている人々に料理を届けた。この取り組みは現在も続けられており、これまでに75,000食以上を提供してきたという。
今回のイギリスのヒルトンで始まったゼロウェイストのメニューは1か月間の限定。だが、ヒルトンは世界に600軒近くのホテルを展開しており、今後はヨーロッパ、中東、アフリカなどのホテルでも、同様の取り組みを拡大する予定だ。また、イギリス国内の約20のホテルでも、廃棄量の少ないメニューを開始するという。
これまでは廃棄されていたものが、見た目にも美しく、味も満足のいく料理になると知れば、消費者も同じように家庭での調理で工夫するヒントになるかもしれない。また、ヒルトンのような大手ホテルチェーンがこのような取り組みを始めたことは、業界にもポジティブな影響を与えると期待できる。アイデアとテクニックを駆使すれば、きっと廃棄物はまだまだ減らすことができるに違いない。
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